ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2022031806000092290 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 //////////////////////////////////////////////////////////////// 国会では、衆参両院に「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」が設置されている。2004年に置かれてから約20年になるが、少なくともここ10年間は北朝鮮への経済制裁の延長を決議するぐらいで議論すら行われず、ほとんど休眠状態であるのが実態である。 このような中、先週3月11日、参議院において、松野拉致問題担当大臣、林外務大臣が出席して、久しぶりの質疑が行われた。その様子を視聴したので書き起こしてみた。内容は、目を覆うばかりで、耳を疑うお粗末極まりないものだった。呆れるよりも怒りが湧いてくる。他の委員の質問は散漫であったため、舩後靖彦委員とのやり取りを以下に示す。我慢して読んでいただきたい。 ○舩後靖彦委員(以下「舩後」) 前回の私の質疑で、当時の加藤(拉致問題担当)大臣は、「拉致問題の解決」について、認定の有無にかかわらず、北朝鮮に拉致された全ての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向けて取り組んでいきたいとおっしゃいました。そうしますと、拉致被害者として政府が認定した方のほか、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」を合わせて九百人弱の方々の帰国が実現したときが「政府の考える解決の状態」ということでしょうか。この点について、松野大臣のご見解をお聞かせください。 ○松野博一拉致問題担当大臣(以下「松野」) 政府としては、認定の有無にかかわらず、北朝鮮に拉致された全ての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向けて取り組んできているところであります。あらゆるチャンスを逃さないという決意で、全力で取り組んでまいります。なお、拉致被害者の人数につきましては、政府として拉致被害者に関し様々な情報に接していますが、拉致被害者の安全確保に関わるものであることから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにせよ、北朝鮮に対しては全ての拉致被害者を1日も早く日本に帰国させるよう求めていく考えであります。 ○舩後 家族会、救う会の皆様は、全拉致被害者の「即時一括帰国」を求めておられます。 そこで、お尋ねいたします。 政府としても、この全拉致被害者の即時一括帰国を目指していくというお考えでよろしいでしょうか。この点について、松野大臣のご見解をお聞かせください。 ○松野 家族会、救う会の運動方針は承知をしており、これについては真摯に受け止めているところであります。 政府としては、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいりたいと考えております。その結果を出すことが全てであり、それに至る道筋、プロセスについて言及をすることは差し控えさせていただきたいと思います。 ○舩後 拉致被害者の5人の方が帰国されて今年で20年になります。ここから900名弱の方々の帰国を目指すとなると、単純に考えると更なる年月が必要になると考えます。この点についてどのようにお考えでしょうか。 政府としては、まず政府認定の被害者の帰国を目指すという段階的なアプローチを検討されるおつもりはありますでしょうか。この点につきまして、松野大臣のご見解をお聞かせください。… … …(記事全文5,443文字)
蓮池透の正論/曲論
蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)