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蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

拉致問題で19年間にわたって受け続けた誹謗中傷

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2021082706000084110 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 ////////////////////////////////////////////////////////////////  やはり東京パラリンピックが強行的に始まった。全国で感染爆発する状況での開催は狂気の沙汰と多くの人が考えているのだろうが、政府は聞く耳を持たない。一方で「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」対象地域を拡大するのみ。東京五輪開催の矛盾が繰り返される現実に、みんなが呆れ返り、諦めの境地に達しているのか、それとも自分の身を守ることに精一杯でそれどころではないのか。メディアもこの矛盾を厳しく俎上に乗せることはせず、再びコロナ感染と東京パラを並行して報道する自己矛盾には無自覚だ。  国と東京都が都内のすべての医療機関に要請した「病床の確保と人材派遣」「応じない医療機関の名称を公表」には耳を疑った。「感染症法」第16条の2に基づくものだというが、それは感染拡大を予防する措置であるにもかかわらず、これだけの惨状下での要請とは。自らの責任を棚上げして、医療機関を「悪者」に仕立て上げているとしか考えられない。また、東京都の「酸素ステーション」設置についても、治療施設とは程遠く応急処置を行うに過ぎない。「やってる感」の演出だろうか。  菅義偉首相はようやく臨時医療施設の設置に言及したが、具体策は明らかになっていない。そんな中、新潟県では先週末「フジロックフェスティバル21」が開催された。この開催については、未だに物議を醸している。私は、音楽界が苦境に立たされているのは理解するが、3日間で延べ3万5499人が参加したこのような野外イベントの開催は時期尚早と考えていたが、経済産業省が9000万円を投じたコロナ禍における公演開催のための「実証実験」だったという報道には驚きを禁じ得なかった。  東京オリパラ開催と感染爆発の渦中で、アスリートや感染したタレントへのソーシャルメディアを通じた誹謗中傷が取りざたされている。この種の誹謗中傷問題は今に始まったことではないが、憂慮すべきことである。私も誹謗中傷を受ける当時者になったことがある(なっている)ので、本稿ではその経験と対応について紹介したい。 〇一躍脚光を浴び思い上がった一介のサラリーマン  当時の私は、東京電力に勤める(日本原燃に出向)一介のサラリーマンだった。特定の思想などあるはずもなく、まったくのノンポリで、新聞さえまともに読んでいなかった。ただ、理数系出身であることから、与えられた命題を演繹して単一の解を導き出す、いわゆる論理的思考回路は持ち合わせていたと思う。また私は元々、人見知りするタイプであり、テレビ、新聞等で初対面の人からインタビューを受けたり、ましてやテレビやラジオに出演するなど考えもしないことだったのだが、2002年9月17日以降は人格が変わってしまった。  2002年9月17日までは、メディアには無視され続けてきたが、事態は一変した。家族会は一躍脚光を浴び、メディアからは引っ張りだこに。多くの政治家から接触され、見ず知らぬ人たちからも同情の念が寄せられた。「それ見たことか。ざまあみろ」という感情とともに、思い上がらないほうがおかしい状況だった。
… … …(記事全文4,435文字)
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