Foomii(フーミー)

蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

感染爆発が地方に波及するも首長の危機感は希薄 原発ではクラスター発生

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2021082006000083833 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 //////////////////////////////////////////////////////////////// 〇首都圏、沖縄では医療崩壊 東京五輪の所為  新型コロナ感染爆発が止まらない。ワクチン接種の遅れ、デルタ株の猛威そして東京五輪強行開催などにより、全国の重症者数は1700人を超え、連日過去最多を更新している。また、自宅療養者は厚生労働省の11日時点の集計で約7万4千人。首都圏や沖縄県では、自宅療養中に容体が急変し亡くなるケースも出ており、もはや医療崩壊という状態である。さらに、17日時点の沖縄県、東京都、神奈川県の陽性率(移動平均)はそれぞれ、約44%、約32%、約27%と異常に高い値である。これは、感染の実態に検査数が追い付いていないことを示すもので、日々の新規感染者数は防疫上の統計値として意味をなさない。その他の道府県でも総じて陽性率は高く、早晩同じ傾向を辿ることになるだろう。  東京五輪の開催と感染拡大には相関関係があるのは明らかだ。共同通信の調査によれば「東京五輪開催が新型コロナウイルス感染拡大の一因」と考えている人が約60%に上った。一方で、読売新聞の調査では「東京五輪を開催してよかった」とする人が約60%いることには、合点がいかない。素直に取るならば、感染拡大には危惧しながらも、五輪はテレビで楽しんだ人が多かったということだろうか。現在の日本社会の意識構造を象徴する調査結果なのかもしれない。 〇相変わらずのその場しのぎ 結局「自助」  政府のとった策は、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象を29都道府県に拡大したこと。医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種の「3本の柱」で対策を進めるそうだが、「今頃何を言っているのか」である。百貨店(デパ地下)等への入場制限、外出機会の半減を要請する。その場しのぎの対応であり、危機感、説得力など微塵も感じられない。  菅義偉首相は自身の責任を問われ「まずは目先のことを解決に向かって全力でやるのが私の責務」と答えた。コロナ対策が最優先であるのは言わずもがなであるが、昨年の首相就任以来、将来を見据え、かつ最悪の事態も視野に入れた中長期的な対策を講じてきたとは、決して言えない。「危機管理・リスク管理能力ゼロ内閣」との誹りを免れない。まさに「コロナ敗戦」だ。自分のことは自分で守れ、すなわち「自助」ということなのだろう。 〇なぜできない「野戦病院」 ロックダウン  東京都にしても、3箇所の「酸素ステーション」を整備する方針だそうだが、そのような「対症療法」しかできない施設は奏功しない。なぜ、臨時の療養施設、いわゆる「野戦病院」を設置することをしないのだろうか。その方が、医師、看護師、医療機器を合理的に活用できることは、誰にでも分かっていることではないのか。英国では、昨年来「ナイチンゲール病院」と称する「野戦病院」を複数箇所設置したという。政府主導で、元オリンピック施設を流用するなどして、設置には軍の有するノウハウも適用された。こういった海外の好事例に学ぶことも重要ではないだろうか。
… … …(記事全文5,373文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:330円(税込)

    ひと月まとめて購入するとさらにお得です。

    価格:1,100円(税込)

    2021年8月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年5月19日に利用を開始した場合、2024年5月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する