… … …(記事全文3,697文字)去る5月17日、令和専攻塾において、元陸上自衛隊中部方面総監・山下裕貴氏が講師を務め、「台湾有事シミュレーション」についての講義が行われました。その内容は極めて示唆に富み、私たち日本人が今まさに直面している地政学的現実と、それに伴う国家存亡の危機を改めて突きつけるものでありました。
まず確認すべきは、今年の全人代において明確にされた中国共産党、そして習近平の揺るぎない意思です。すなわち、「台湾併合は絶対に成し遂げねばならぬ」という国家目標であり、その達成のためには軍事力行使すら厭わないという姿勢です。これは決して脅しでも外交的ポーズでもなく、独裁体制下における指導者の“聖断”として、現実に行動へと移されるリスクが極めて高いのです。
山下氏によれば、中国が台湾を屈服させるためには、単なる海上封鎖による兵糧攻めでは不十分であり、最終的には上陸作戦によって台湾本島を制圧する必要があるとのことです。台湾海峡を渡り、島嶼を制圧するという作戦は、歴史的に見ても困難を極めますが、それを可能にするだけの兵力を中国は既に蓄えているのです。
しかし、作戦実行にあたって日本の与那国島が大きな障害となります。
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン