ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00194/20230710100000111247 //////////////////////////////////////////////////////////////// 山岡鉄秀の対外情報戦で勝ち抜けろ! https://foomii.com/00194 //////////////////////////////////////////////////////////////// 安倍元総理が選挙中に凶弾に倒れてから1年が経過しました。非常に長い一年だったと感じます。安倍元総理がこの世を去るや否や、予想だにし得ないスピードで日本は瓦解しました。特に、自民党と岸田政権がエマニュエル米国大使の言いなりになり、LGBT理解増進法案を無理やり可決させ、レーダー照射事件も未解決のまま韓国と通貨スワップを再開し、韓国をホワイト国に復帰させたことは岩盤保守層を激怒させました。エマニュエル大使の傲岸不遜な態度は露骨な内政干渉に他なりませんでした。 ここでしかし、少なからぬ国民が、日本は依然としてアメリカの属国であることに気が付きました。日米同盟は対等な関係では全くありませんでした。日本は依然としてアメリカを宗主国と仰ぐ属国であり、米国大使は植民地総督のごとく振る舞い、アメリカ政府の命令に日本政府は唯々諾々と従うしかない現実が白日の下にさらされました。「安倍さんが存命だったらこんなことにはならなかったはずだ」と多くの人が異口同音に嘆きました。 確かに、安倍元総理が存命だったら、こんな無様なことにはならなかったでしょう。それは間違いありません。しかし、安倍政権が継続した間も、日本が属国であったことに変わりはありません。それでも安倍晋三は、戦後の首相としては極めて稀な例として、独自外交、独自防衛を戦略的に推し進めました。その結果、世界のリーダーたちから信頼を集め、尊敬されました。トランプ米大統領とは世界のどの首脳よりも緊密な関係を築きました。安倍晋三が率いる日本を見て、誰も日本がアメリカの属国に過ぎないとは思いませんでした。日本国民も、日本が世界に胸を張れる独立国だと信じて疑いませんでした。 しかし、現実には日本の立場は敗戦以来ずっと属国であり、安倍政権当時も属国だったのです。それにも拘らず、安倍晋三は、あたかも日本が誇り高い独立国であるかのように振舞い、時に世界をリードしました。属国の首相として卑屈になることもなく、宗主国からの圧力もかわし、独自の外交戦略を立案して推し進めました。ロシアと独自のパイプを築き、中露の結託を防ぐべく楔を打ち込み、インドを巻き込んでクワッド構想を打ち立てました。アメリカやオーストラリアの国会で演説し、万雷の拍手を浴びました。 すなわち、安倍晋三という政治家は、属国の首相というハンデをものともせずに、あたかも自立した独立国の首相であるかのように振舞い、行動し、世界から高い評価を得ることができたという点において偉大な政治家たったのです。安倍晋三を見ていた日本人は、彼があまりにも堂々としていたので、日本が本当は属国に過ぎないことに気付けませんでした。従って、なぜ安倍晋三が偉大なのか、その本当の理由を理解することもまたなかったのです。 翻って、日本を属国として支配したい米国内勢力からすれば、安倍晋三ほど邪魔な人間はいません。ある情報筋によれば、トランプ政権下のホワイトハウスにはキッシンジャー系の人間が多く配置され、安倍の独自路線に寛容だったが、バイデン政権になると、ロシア敵視のネオコン系が中枢に入り、プーチンと独自のパイプを持つ安倍晋三は疎ましい存在になったということです。従って、安倍晋三がこの世を去るや否や、米国大使が植民地総督のように振舞い出し、岸田政権が平身低頭しているのは予想通りだというのです。日本国民は「安倍さんがいればこんなことにならなかった」と嘆くよりも、自分たちがあたかも独立国の住人であるかのように錯覚させた安倍マジックが終了し、現実の世界に舞い戻ったことを冷静に認識すべきなのです。 では日本はいつからアメリカの属国なのでしょうか?それは勿論、1945年の敗戦以来であり、今日まで日本は一度も独立したことがないと言ったら、ほとんどの日本人は唖然とするでしょう。しかし、それが現実なのであり、日本人は映画マトリックスのように、「独立国」という仮想現実の中で生きて来たのです。実によく管理された仮想現実でしたが、アメリカ国内が内戦状態となり、大混乱する中で、ランボーと仇名され、民主党内でも忌み嫌われる人物が駐日アメリカ大使として赴任して来たことで状況が変わってしまいました。バイデン政権は日本人に錯覚させる緩やかな間接統治から、マッカーサー時代の統治に戻ろうとしているようです。… … …(記事全文4,021文字)
山岡鉄秀の対外情報戦で勝ち抜けろ!
山岡鉄秀(情報戦略アナリスト)