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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

【石破クマムシ論】自公過半数割れでも「石破続投」のリスク有り。自民党内保守の党内政局における活躍が今、党利党略を越えた「国益」のために求められている。

今回の参議院選挙では、自公の与党が、今回の改選総議席数の過半数を割り込むのは当然のこととして、「非」改選も含めて「過半数」を割るか否かという点が、焦点となっています。

 

具体的には、自公で50議席が獲得できるか否か、という点が焦点となっており、石破も総理総裁の立場で勝敗ラインを50議席獲得できるか否かだと述べています。

 

そうなると石破政権としては50議席とれば、政権として掲げた目標に到達したと言うことになり、参院選後の続投が既定路線となる見通しとなりますが、50議席を割り込めば、当然、石破自身が決めた定義からして「敗北」となるわけですから、当然その敗北の「責任問題」が生ずることとなります。

 

では、その「責任」とは一体何かと言えば、普通なら、「総理辞職」という事になるのですが、石破に限ってはその「普通」は一切通じません。

 

何と言っても、昨年11月の衆議院選挙でも、石場自身が定義した「与党過半数」という勝敗ラインを割り込み、自民党公明党政権を「少数与党」政権に追い込むという途轍もない責任問題を起こしたにも拘わらず、何も無かったように適当な言い訳を二三嘯いた上で総理の座に居座り続けたからです。

 

だから今回も与党過半数割れでも総理を続投する気満々だと思っておかねばなりません。

 

もちろん口では、与党過半数割れになった場合どうするかと問われた時、「有権者の審判が下れば、厳粛に受け止めるべきものだと分かっている」と発言していますが、「厳粛に受け止めた上で、政権運営いたします」と言うことだって出来ますし、彼ならきっとそういう気満々で「厳粛に受け止める」と言う言葉を言ったとすら勘ぐることができるでしょう(付録1)。

https://news.yahoo.co.jp/articles/689848e043902f1cd1bc4385ef7b125e82f616f1

 

実際、斎藤公明代表は「過半数割れでも石破続投を支持」と言明しています。

https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20250625-OYT1T50148/

 

そして、この発言の直後に斉藤氏は石破氏と会食しています。そしてその会食後に石破は、「自公連携して過半数確保に向けて頑張っていこうと確認した」と発言していますから、石破は斎藤と強力な協力関係を継続させ、共にこの困難を乗り越えていこうと「誓い合った」であろう様子が見て取れます。

https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20250627-OYT1T50229/

 

だということは、もしも過半数割れた起こった時にどうするかについて話し合っていないはずなどありません。そしてその直前に斉藤氏は(自身のその発言の直後に石破とゆっくり食事する事が決まっていることを念頭に置きながら)「過半数割れでも石破政権続投を支持する」と記者団に言明し、新聞記事にまでさせたのですから、斉藤氏は石破にあえばこれと同じ事を言ってやろうと考えていたことは100%間違いないでしょう。

 

したがって、この両者の会食の席で、

 

斉藤氏「過半数割れでも絶対公明は支持しますから辞めなくていいですよ」

石破「へへへ、よろしく頼みますよ」

 

という主旨の下りが会った事は全くもって確実だと言えるでしょう。

 

しかし、衆参双方で過半数われを起こさせた与党総理が続投するなぞというのは、国民を激しく愚弄する暴挙に他なりません。言い換えるならそれは、民主主義の理念を根底から溶解させる破壊行為です。

 

既に昨年の衆院選敗北後に続投している状況だけでも国民は大きく愚弄され、民主主義は激しく破壊されたわけですが、石破がもしも本当にそうすれば、これらの暴力的行為をさらに加速させることになるわけです。

 

もしもこんな事が許されてしまえば、国民はもはや選挙に等行く気がますます失せ、日本の民主政治に対する信頼を完全に失ってしまう事になるでしょう。

 

だからそんな暴挙を絶対に許してはならないのです。

 

そのために何ができるのかと言えば、何よりもまず…

… … …(記事全文3,520文字)
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