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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

「石破野田タッグで消費「増税」の流れができあがった今…支持率下げてる場合じゃないでしょ!」~山尾ショックで国民的大批判を受けている玉木雄一郎氏にかける言葉~
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この度、当方の単著の形で、

  『玉木雄一郎、「国益」を大いに語る!』

と題した書籍を出版しました。

https://www.amazon.co.jp/dp/4828427414

 

玉木氏と言えば今、いわゆる「山尾ショック」によって、国民から様々に批判されているところです。

 

なぜ、「不倫疑惑」等で国民から激しく非難されている山尾志桜里氏を参議院選挙候補者として公認「内定」をしたのか、それにも関わらず公認見送りとしたのか――ーそうした疑問を持つ多くの国民が、玉木氏を様々に批判しているのが現下の状況です。そうした国民批判は至って当然のものであります。

 

玉木氏は、この件について2日前(6月19日)配信の下記動画でも釈明されていますから、本件にご関心の方は是非一度、下記動画をご覧になっていただければと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=J3JACNTXvKA

 

この動画では、玉木氏にインタビューをされている須田慎一郎氏が

 『支持率下げてる場合じゃないでしょ!』

と玉木氏を叱責されておられます。

 

この須田氏の怒りに強く賛同される国民は沢山おられるのではないかと思います。実際、「須田さん、怒ってくれてありがとう」というyoutubeコメントに、実に1000件以上の「いいね」が付けられています。当方も全く同様に感じた次第です。

 

…というのも、石破政権は、若年層を中心に実に多くの国民が共感した玉木氏の「手取りを増やす」ための諸政策を悉く否定した上で、参議院選挙に臨もうとしているからです。

 

石破氏は、玉木氏らが主張した消費減税も真っ向否定し、178万円の年収の壁引き上げも骨抜きにし、ガソリン税減税については国会で明確に否決することを決定してすらいます。

 

それにもかかわらず、「(自民党が決定した)2万円給付は消費税減税よりも遙かに効果的」という完全なるデマをまき散らし、「2030年までに賃金を100万円あげる」なぞと誰が見てもウソと分かる公約を掲げているのです。

 

石破のデマを見抜き、進次郎の2000円米フィーバーにも踊らされない多くの心ある多くの日本国民は、玉木氏の「手取りを増やす」ための諸対策を心から待ち望んでいるのです。

 

それにも関わらず、この選挙前のタイミングで山尾ショックで支持率を下げていれば、そうした「手取りを増やす」取り組みが全て、デマとウソを槇散らかす石破によって綺麗さっぱり潰されてしまうことになるのです…。

 

山尾氏の弁護など到底できませんし、そんな彼女を公認しようとした玉木氏の判断を支持する気持ちも毛頭ありませんが、だからといって「手取りを増やす」諸対策が石破によって木っ端微塵に打ち砕かれることを絶対に許すわけには行かないのです。

 

多くの国民もおそらくそういう気持ちで、「山尾ショックによる国民民主党の支持率下落」の顛末を悔しい思いで見ているのではないかと思います。

 

 

もちろん、選挙の投票判断は全て一人一人の国民の主体的判断に委ねられるべきものです。

 

そんな中、もしも玉木氏の山尾氏に対する対応は支持できずとも玉木氏の「手取りを増やす」諸対策の実現を望む方がおられるなら、今一度、改めて玉木氏が一体どういう政策論を考えていたのかに、僅かなりとも耳を傾けてみてもいいかどうかについて、今一度ご一考頂きたい思っています。

 

その上でもし、玉木氏の諸対策に耳を傾けるのもやぶさかではないとお感じの方がおられましたら…是非、彼の政策論について、山尾ショックが起こる以前に当方が行ったロングインタビューとその解説の下記書籍を、手に取って頂ければと思います。

https://www.amazon.co.jp/dp/4828427414

 

何と言っても今不信任案を出すことを自らの党利党略のために取り止めた立憲の野田氏が石破とタッグを組み、消費「増税」を実現する戦略を密かに進行させているというのが現下の国会の流れなのです。

 

誠に恐るべきシナリオです…。

 

当方は、そんな流れを止める為にも、高市早苗氏や積極財政議連の方々、旧安倍派の方々等の与党内の積極財政勢力に加えて、野党における玉木氏等の「積極財政勢力」の拡大は喫緊の課題であると、真剣に考えています。

 

ついては以下に、本書にかける当方の思いをしたためた「はじめに」をご紹介差し上げます。

 

ついてはもしご関心の方がおられましたら下記ご一読の上、当方の書籍『玉木雄一郎、「国益」を大いに語る!』をご一読頂きたいと思います。

https://www.amazon.co.jp/dp/4828427414

 

どうぞ、よろしくお願い致します。

 

~はじめに~

 

日本は今、まさに「亡国」と言わざるを得ない途轍もない危機に直面しています。

その真実を理解する日本人は限られているように思います。ですが国が滅びる、ということは世界史の中で繰り返されてきた、実に「当たり前」の話です。日本ではギリギリ免れることはできましたが、蒙古襲来や黒船、日露戦争等、まさに国が滅び去る危機に幾度となく直面してきました。

一方でアジア、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアにかつて存在していた実に多くの国々が大航海時代以降、帝国時代を経て今日に至るまで欧米列強によって事実上滅ぼされてきました。特に先の大戦以後、帝国主義は無くなりましたが「資本の自由化」が徹底されたため、「大国」による土地や企業、さらには裏金を使った政治家の「買収」が横行し、所謂発展途上国は軒並み(合法的な形で)「事実上の植民地」になってきてしまいました。

我が国日本は戦後、先の大戦に敗れながらも東西冷戦構造、日米安保条約の構造の中で、かろうじて経済だけはそれなりの成長を遂げ、アジアやアフリカ等の諸外国と異なり、外国勢によって資本が買収され尽くされるような状況を回避し、経済的主権だけはそれなりに守り続けてきました。しかしその経済的主権すらも今、失われ、世界中の発展途上国のように諸外国に重要な資本が抑えられつつある状況に立ち至りつつあるのです。

その直接の引き金は長引くデフレ不況です。それによって我が国の国力は徹底的に衰退し、あらゆる資本が外国勢、グローバル企業税によって買収される様になってきているのです。しかも諸外国のように裏金を使った政治家達の「工作」も急速に進んできています。とりわけここ10年では、凄まじい躍進を遂げた隣国中国による日本の各種資本、ならびに政治家の買収・工作が加速していることは周知の事実です。

今やもう、スマホもパソコンも外国製が趨勢を占めておりPCのOSは全て外国製。ネット通販もアマゾンが巨大なシェアを占め、ネット検索もGoogleが大半を占めています。東京、大阪、名古屋などの繁華街の不動産の多くが中国人に買収され、ニセコを中心とした観光地でも中国系を中心とした外国勢に買いたたかれています。

自動車やテレビ、新聞等、国産企業が未だ強い分野も存在はしていますが、このままの経済の衰退があと10年も続けば、それらの魅力的な資本がどんどん外国勢に買収され、日本勢が国内で弱体化していくことは明白です。しかもかつては米国による、そして今日では中国による日本の主要政治家に対する工作は年々激しくなってきており、その結果、所謂「売国」と言わざるを得ぬ政治判断が散見されるようになってきています。

そんな状況の中で誕生したトランプ政権は日本の安全保障環境を激変させつつあります。このままでは、日本の繁栄を守る安全保障の枠組みそのものが激変し、日本の衰退はより決定的なものとなってしまいます。

この様に大局的に眺めれば、日本は「このまま行けば」、アジアやアフリカにある夥しい数の事実上の(合法的)「植民地」にしか過ぎない「貧国」と成り果せてしまうことはもはや既定路線となっていると考えざるをえないのです。これこそ、冒頭で指摘した「亡国」の危機です。

しかし―――今ならばまだ日本の全ての主要資本が全て外国勢に買収されているわけでもなく、安全保障環境を自主独立の方向へと展開するだけの国力を十分に残されている状況にあります。したがって、「このままの政治」を続けるのではなく、日本の国益を真に慮り、日本が今、凄まじい危機的状態にあることを過不足なく認識し、トランプや習近平やプーチンとも対等以上に渡り合いながら日本の衰退を食い止め、復活へと舵をきる「政治」を展開すれば、この亡国の危機はいとも容易く回避することが可能となるのです。

学者として、言論人として公共政策や政治経済問題に携わってきた当方はこうした認識の下、与野党問わずあらゆる政党、政治家の言説に触れ、解釈、批評、批判して参りました。そんな中で、当方は参与としてお仕えした故安倍晋三元総理の「日本を取り戻す」ための政治活動に全力で期待して参りましたし、その安倍晋三氏が晩年総理総裁候補として全面的に支援された自由民主党の高市早苗氏を中心とした自由民主党の保守派、積極財政派の政治家達に大いなる期待を寄せています。

そんな当方が、野党の中でとりわけ大きな期待を寄せている方が国民民主党代表の玉木祐一郎氏です。そんな思いもあり当方は、時に玉木氏の事務所で、時に当方のTV番組のゲストとしてこれまでに様々に意見交換を重ねて参りました。その中で、玉木氏が、安倍元総理や高市氏ら、当方が信頼を寄せる今を生きる現代政治家と同様の上記歴史観、大局観をお持ちの政治家であると認識し、玉木氏の政策論を改めて解説さし上げる書籍を出版することを思い立った次第です。玉木氏に早速ご相談申し上げたところ快諾いただき、今回の書籍出版となった次第です。

玉木氏の政策論で今、一番世間に伝わっているのは、消費税減税や178万円の年収の壁の引上げ等を含めた「積極財政論」です。今の日本の衰退の直接的原因が経済衰退であることを鑑みれば、この政策論が今、世間に到達しているのは大変に望ましいことであると感じています。しかし、その「積極財政」の上に、「地政学的な安全保障論」と防災・強靱化を含めた「経済的な安全保障論」を組み立て、その上にあらゆる領域の「国力」を増進していく政策を玉木氏が構想している事については、十分に知られていないものと、本書執筆を通して改めて感じた次第です。そうした玉木氏が考える『国益』の議論を、ここに読者各位に当方の学者・言論人の立場からご紹介差し上げることができるのは、大変光栄なことと深く認識しております。

本書出版にあたって最初から最後まで全面的にご協力いただいた玉木祐一郎氏に心からの深い深謝の念を改めて表したいと思います。本当にありがとうございました。

 

ついては本書出版が玉木氏の政策論の国民理解を深め、それを通して党派を超えた大きなうねりが巻き起こることにわずかなりとも寄与できますことを、心から祈念しております。

そもそもこの亡国の危機的状況にあっては、中国や米国等の外国勢力の思惑が色濃く影響し、政界においても「少数与党状況」という極めて希な大きな混乱が生じています。したがってかつてのように特定の党派の力だけで日本を変えることが著しく困難な状況にあるのが現時点での日本の政治状況です。そんな中では、与野党の現在の枠組みに囚われていては、政治は文字通り一歩も動きません。したがって既存の枠組みに囚われない党派を超えた「連携」があってはじめて、玉木氏がここで論じているような「積極財政の実現」や「地政学的経済的安全保障の確保」という政治的大転換が可能となるのです。

ついては大局的な日本史展開においても、現下の日本人の国民生活の次元においても、そして、現下の政治的環境においても大きな混乱状況にある今、本書が亡国の危機に直面している我が国日本を救い出す歴史的展開にわずかなりとも貢献できんことを心から祈念しています。

 


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