… … …(記事全文3,482文字)気色の悪いニュースです…石破首相が,中国の王毅外相をわざわざ首相官邸に呼び寄せて面談しました.この時期にそれもどうかと思いますが,その席で行った会談について,中国政府が「中国が詳述した立場を尊重する」との石破発言があった,と発表しました,
中国が詳述した立場とはもちろん,台湾独立は絶対に認めない,というのが最重要ポイントが含まれることは前提中の前提ですから,石破はその中国の立場を尊重すると言った,と言うことになります.
が,これに対して外務省は,、「首相がそのような発言を行った事実はなく遺憾だ」と反論したのですが…いくら中国政府といえど,わざわざ表敬で呼ばれた中国が,表敬先の首相の発言について「嘘」をついて,言ってもいないことを言ったと公表するなんてことは,絶対にありません.
そんな事をすれば,「友好」のための折角の表敬だったのに,それを通して日中関係が悪化することになるからです.とういかそれ以前に,そんな事をやれば,今回の様にスグに日本側からクレームが入り訂正させられることは明らかであり,実際に,今回の様に訂正を要求させる事になったわけです.
それにも関わらず,中国がそんな事を公表したということは,中国側は「石破氏が中国の立場を尊重すると発言した」と本気で判断したのでしょう.というか,「この石破発言なら,中国の立場を尊重すると発言したと解釈しても差し支えないだろう」と判断したのです.
そもそも,外交の場で口からでた言葉は,取り消されません.なぜなら,相手国がそれを聞いているからであり,それはまさに言葉の人質,言質,そのものです.
中国は,石破氏の言葉を記録し,解釈したところ,その言葉の内にどう考えても,「中国の立場を尊重すると発言したと解釈できる言葉だ」と判断できる言葉が含まれていると判断したのでしょう.
なぜこんな事になったのでしょう?勿論,その答えは当人達に聞いてみないと断定的に論ずることはできませんが,以上のロジックをベースに考えれば,次のような顛末であったと考える以外に,解釈のしようがありません.
すなわち,例のややこしい良い周りの「石破構文」で話した内容を,中国側が「中国が詳述した立場を尊重する」と石破が言ったと解釈し,それを公表した,と考えざるを得ないのです.
例えば,石破氏が,次のような発言をしたとしましょう.
「ご説明のあった中国の立場は日本としてもしっかりと理解せねばなりません,日本の外交内政はその理解を踏まえたものでなければなりません」
典型的な石破構文の言葉ですが,この言葉を普通に解釈すれば,「中国の立場を尊重する」と十分解釈できるものです.
しかし,石破本人は次のように反論するでしょう
「わたしは,ねばならないといっただけで…
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