… … …(記事全文2,296文字)玉木国民民主党が打ち上げた103万円の壁の178万円への引き上げ論について,過日,「減税すれば経済が活性化し,経済が成長でき,税収がふえる.その成長こそ財源だ!」というお話をしましたが(https://foomii.com/00178/20250109083346133566),本日はさらにその件について考えてみたいと思います.
というのも,今週の東京MXテレビにて,ゲストとして国民民主党の玉木さんをお呼びすることになり,その際にあれこれ,玉木さんに直接説明しようと思い,あれこれ準備しているからです.
玉木さんは,自民党・財務省が言ってくる『財源を示せ!』という話について,財源は(勿論国債であることは間違いないのだが,それをさておくとしても)「成長」によって賄えるということを主張していますが,中でも最も直接的な財源論は,
「税収がここ最近,(経済成長を通して)圧倒的に増えている.これこそが財源だ!」
というもの.実際,来年度(2025年度)の歳入見込みは過去最高の税収78・4兆円となっており、昨年度(2023年度)の実績値の72.1兆円から6.3兆円も増加しており,これこそが財源となるのだ,という次第.
そもそも政府は,国民の実質賃金の値上げを主張しているにも拘わらず,昨年度から6兆円も余分に国民から税金を吸い上げていることを想定しているのであり,これを『還元する』という発想をもちさえすれば,それで財源論はあらかた終了するではないかというわけです.
まさに仰る通り.
しかも,過去数年の動向を見れば,この玉木さんの主張はさらに強力なものとなります.
今年度の見込みよりも6兆円以上も少なかった昨年度の税収は(実績ベースで)約72兆円ですが,この72兆円という税収は,昨今の円安やコロナ明けの経済回復で,ここ数年の間に急激に「増えた」上での税収なのです.
(データ出典:財務省ホームページ)
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)