… … …(記事全文3,436文字)総裁選終了後,少々日記配信が滞っておりましたが…総裁選期間中に貯めに貯めていた仕事がおおよそ片付き,平常運転となりました(ちなみに今日は札幌ライブ(^-^*)!).
https://x.com/SF_SatoshiFujii/status/1842420624779849819
ついては,改めて日記を配信しますが…ここ数日日記配信してない間の石破内閣の動きを見ていましたが,ホンットに酷い…
岸田内閣もかなり酷いものでしたが,ここまで酷いのは見たことも聞いたこともありません.
まず石破総理は国会を数日だけ開いてスグに解散,10月27日投開票で衆院選が行われる予定となっていますが…これはホントに酷い話です.
石破氏は「総理による政治利用のための解散は憲法違反であり許されない」と長年言い続け,直近の総裁選でも「スグに解散はしない」「解散するとしても予算委員会でしっかり議論してからだ」と明言してたにも関わらず,森山幹事長からの「支持率が下がる前にスグに解散をする方が自民党は勢力を維持できるから,今すぐ解散すべきだ」という意見をそのまま丸呑みする形で,前言を翻したわけです.
これはつまり,石破氏の「本来政治利用のための解散はすべきで無い」という長年言い続けていた主張や,「スグに解散しない」とかいう発言は全て「ウソ」であったということを意味します.
さらには,総裁選で言っていた「アジア版NATOをつくる」だとか「金融所得課税」だとか強くアピールしていた政策論もまた,今回の「所信表明演説」にはその片鱗さえもはいっていませんでした.所信表明演説とは,総理がやろうとしている内容を宣言するものですから,基本的にここに入っていない事柄はやらないと積極的に言っているに匹敵する事になります.
したがってやはり,総裁選の時の准公約と言うべき「アジア版NATOをつくる」だとか「金融所得課税」だとかを主張する発言もまたすべて「ウソ」であったという事になります.
そうである以上,今回の所信表明演説の中で石破氏が言った「最低賃金を20年代に1500円にする」だの「デフレ脱却する」だのといっている言葉が全て「ウソ」である可能性を強烈に示しているということになります.
そんな総理を一体誰が信用すると言うのでしょうか…?
さらには,組閣メンバーを見ても,様々な問題点が今,様々に指摘できます.
1)官房長官を岸田内閣の林氏をそのまま留任させる,という異例人事.通常,総理になる人物は「やりたいこと」がある.そしてその「やりたいこと」を実現させる上で総理にとって最も重要なのが「官房長官」人事.だから,石破氏にやりたいことを本気でやろうという気持ちがあったのなら,総理に立候補した時点で官房長官を誰にするかを考えている筈.
しかし,殆どこれまで一緒に仕事をしたことの無い,岸田政権の林官房長官を留任させた!これには心底ビックリ.要は誰を官房長官にするか考えてなかったってことが露呈.これはつまり,ホンットに政治を真剣に進めようと思っていなかった証です.
2)論功行賞(選挙で応援してくれた人に,そのお礼でポジションを与える)ばかりの人事.挙党態勢を全く考えていない.
3)論功行賞を優先するあまり…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)