… … …(記事全文3,259文字)本日は,秋田に講演会で参上いたしました.
朝6時から9時までの文化放送ラジオ「おはよう寺ちゃん」に生放送で登壇し,そこから雑誌取材を一つ対応してから,東北新幹線・秋田新幹線に乗車し,秋田駅に到着したのが午後3時過ぎ.
メチャクチャ秋田来るのに時間がかかるなぁ…と思いながら,4時から約一時間,講演いたして,小一時間懇親会に出席して,秋田の美味しい日本酒をさくっと頂いて今,秋田新幹線に再度乗車して,東京に向かっております.
秋田にはこれまで,2,3回,いずれも「講援会」で訪れたことがあるくらいで,今回の秋田訪問も久方ぶりでしたが,今回改めて驚いたのが,秋田駅の立派さ.
秋田新幹線は「ミニ新幹線」といって,普通の在来線の電車も走る鉄軌道の上を,新幹線車両が走るというもので,いわばフル規格の新幹線とは異なるものなのですが,その終着駅の秋田駅は,まるで通常の新幹線駅と同様の立派さで,駅目には西武百貨店やANAクラウンホテルが作られるほどに,「都会的」な空間となっていたのです.
秋田と言えば全国一二を争う衰退県だと思っていた当方からすれば,その駅の立派さには,軽い感動を覚えた次第です.
ちなみにそのミニ新幹線,というのは,東京から盛岡までは通常企画の「東北新幹線」で高速(おおよそ200~300キロ)で移動するのですが,そこで(乗り換えなしで)「在来線」にそのまま進み,通常の在来線の速度(100キロちょっと)で秋田に辿り着く,というもの.ですから,盛岡以降は速度が通常速度ということで,トータルの東京から秋田までの時間は,かなりかかり…3時間50分,おおよそ4時間程度もかかってしまうということになります.
ですが,乗り換えなしで来れるというのは大きなメリット.交通行動分析という分野では,「一回の乗り換え」が「おおよそ30分から60分程度の時間が余分にかかる」というのと同じ程度の「心理的抵抗感」があるので,それがない,ということは,東京から秋田への心理的距離を大幅に縮める効果がある,と言う次第.
…つまり,ミニ新幹線,かつ,東京からメチャ遠い4時間程度の駅…であるにも関わらず,秋田駅は,通常の新幹線駅と同程度に「立派」なものだったので,これは素晴らしいなと思った次第です.
…しかしながら,懇親会等々で,秋田の方からいろいろとお話しをお聞きしてると,秋田はやはり,かなり厳しい状況におかれているようでした.
まず,秋田県全体は,かつては130万人程度だった一方で,今や,100万人を遙かに割り込む96万人.
そして,その人口減少率は,実に全国一位!
しかも,高齢化率も全国一位とのこと.
すなわち,尋常ならざる危機に秋田県全体が今措かれている,という次第です.
そして,「秋田市」の人口集中率は30%に到達しているとのこと.秋田の方との雑談の中で,「秋田市にいれば,秋田全体の疲弊が俄には分からない程,秋田はそれなりに発展しているのですが,それ以外の地域の疲弊ぶりは本当に酷い者なんです…」との言葉を耳にしました.
すなわち,「秋田駅」の立派さとは裏腹に,秋田の疲弊はやはり,当方が当初想像していたとおりに進行してしまっているわけです.
なぜここまで秋田の疲弊が進んでしまったのか…それは偏に「政府の失策」に他なりません.
秋田と言えば日本の米所.したがって,農業の反映がそのまま秋田の反映になるのですが,今や政府は農業を「切り捨て」にかかっているような農政を続けています.
何と言っても,昨年の米作農家の平均収入は驚くべきことにたった「1万円」にまで至っているのです!!
米作農家の平均収入が…
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン