… … …(記事全文3,827文字)日銀が17年ぶりに「利上げ」することを決定しました。マイナス金利を解除すると共に、金融緩和のためのオペレーション(YCC・ETF買い入れ)のいくつかを終了することを決定しました。
報道を見ている限り、この決定を批判する声は、メディア上でもエコノミスト側からもあまり上がっていません。Yahooのアンケートでも、約50%が大いに評価すると回答しており、全く評価しないは27%に留まっています。
が…当方はまずこの一報を目に為た瞬間に、ツイッター上で
「予想されていたとはいえ、最悪です。
これで国民貧困化の加速は決定的です.」
と発信しました。
なぜなら、この日銀の判断のベースとなる状況認識が全く間違ったものだからです。
植田日銀総裁は、
「賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」
という状況認識が、今回の利上げの理由だと発言しています。
しかし、「賃金と物価の好循環」なんて殆ど全く見られませんし、「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していく」だとか「全体としてはある程度の姿になる」だとかは到底予想できない状況なのです。
まず、実質賃金は今、22ヶ月連続で下落し続けています
そしてその煽りを受けて、実質消費も下落し続けているのです!
これのどこが「賃金と物価の好循環」だと言えるのでしょうか!?!?!?
物価は上がっているでしょうが、賃金は上がっていないのですから、そんな好循環なんて、どこにもないのです!!
日銀総裁は政策決定会合の委員達の目は節穴なのでしょうか?
別の言い方をすると、こうです。
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)