… … …(記事全文2,032文字)成田悠輔氏の「老人集団自決論」なるもの、これまで下らなすぎてスルーしてましたが、昨日改めて彼のオリジナルの発言を聞いて記事を書き、「非常識過ぎて話にならん。バカボンのパパのギャグをそのままマジでしゃべってる奴じゃないか」と批判したところ、一部に、それでもなお、成田氏の発言を弁護する声がちらほらあり、またぞろ驚きました。
どうやら、「言い方は極端だけど、老人が何時までも居座り続ける事は問題なのだから、その問題から目を離しちゃイカン」というのが、成田弁護論のポイントの様ですが、もうメチャクチャです。
そんな事言い出したら、どっかの会社の会議で「社員AとBとCですが、こいつマジ使えない奴等で、会社に大損害が出てる。この問題の解決策はもう、コイツらに集団自決してもらうしかない!っていうかこれからはこう言う使えない社員には全員、集団自決してもらうようにすべきです!!」なんて大真面目に宣ってる顧問か何かがいたとしても「全然OK!」ってなってしまいますが…はっきりいってそんな奴、単に気持ちの悪い「クズ」です。
社員A,B,Cが使えない奴なら、別に集団自殺させなくても、みんなで教育したり解雇できる仕組みを作ればいいだけの話。
だからそんなクズをクズと呼んでも全く、社員A,B,Cの問題を放置してることにはならない。
例えば当方、介護の経験がありますが、自殺しろなんて絶対思わない。万一思ってたとしても、聞こえるようには絶対言わない。
ところが成田氏はメディア上で「集団自決すべき!」と公言してるんですから、その対象者である老人達の耳にも入ってるわけです。完全に常軌を逸した人物です。
っていうか当方、尊厳死には大賛成ですし、個人の尊厳を無視した過剰医療による延命措置には強烈に反対しています(例えば近著「過剰医療の構造」https://www.amazon.co.jp/dp/4828426019)をご参照下さい)。
ですがここで重要なのは「尊厳死」というのは…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)