… … …(記事全文3,040文字)先日、所用で「賢島」まで行って参りました。
「賢島」というのは、三重県の「伊勢志摩」にある代表的観光地で、真珠の生産拠点としてよく知られた地です。
「賢島」には、近鉄のターミナルがあり、大阪・京都・奈良・名古屋からそれぞれ、「近鉄特急」でアクセスできます。
奈良生まれの当方は、子供の頃から家族旅行といえば「賢島」を中心とした(伊勢や鳥羽)等の伊勢志摩は、(有馬温泉と並んで)最も足繁く旅行で訪れた、大変思い出深い地です。
大人になってからも、(串本と並んで)身近な磯釣り場として、グレを釣りに一時期は毎週通い詰めるほど、この地にまいっておりました。
そんな僕がいつも通い詰めていた釣り場所は、賢島からさらに、20分ほど連絡船に乗ってようやく付ける、志摩半島の先端、志摩エリアの最奥に位置する「御座」というところ。
この御座白浜には、「海の釣り堀」があり、真冬になって磯釣りではつれない時期でもここでゆっくり釣りができ、ハードな釣りができない学生や年老いた(生前の)父親などを連れて行ったりしておりました。
そもそも志摩半島はリアス式海岸で、松島と同島、あるいは、それ以上に美しい島々が浮かぶ、風光明媚な地。
何と言っても、この伊勢志摩の地は、海の幸も山の幸も素晴らしく、皇室が最も大切にする神社である伊勢神宮を建立するに相応しいと、太古の昔に決定する程に美しく、豊かな地なのです。
そしてこの御座の地の歴史は古く、海の中にある仏のような石が「潮仏」と呼ばれ、平安よりも遙かに古い時代から、人々の信仰の対象となっており、今でも三重県の重要な観光地の一つとして数えられています。
しかも、この「御座」の地には、和歌山の白浜と並ぶ、三重県で最も美しく大規模な海水浴場があり、子供の頃から夏休みに父親母親につれてきてもらっていました。
そんな当方にとって思い出深い御座白浜に、賢島までやってきたのだから、少し足を伸ばして久々に訪れてみようと思い、あれこれ調べたのですが、一港に情報がネット上で出てきません。
そして、ようやく見つけて驚いたのですが、なんと賢島から御座白浜までの連絡船が「廃止」となっていたのです!
https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/common-hd/data/pdf/20210326sml20210326132516167327105.pdf
コチラが英虞湾(志摩半島に囲まれた海域は“英虞湾”と呼ばれています)の航路だったのですが…
この地図にある「賢島―御座間」(および浜島行き)の連絡船が廃線となったのです!
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)