… … …(記事全文2,670文字)自民党の政治資金問題ですが、法的・表面的には、違法行為を行った政治家は存在するのか、存在するならそれはどんな違法行為だったのか、という点が問題ですが、この問題の本質は、
「政治家と、資金提供者の間の『癒着』問題」
であると、何度か解説しました。そして、その資金提供者の代表的な勢力が「大企業」達であり、彼らは多額の政治献金を政治家に提供したりパー券を購入する事等を通して、いわば政治家を(広い意味における)「買収」し、自分たちがより多くの金儲けができるような政治をやってもおうという「意図」(下心)を持っており、実際にそういう「痕跡」が濃密に残っている、というお話しを致しました。
が、資金提供者は、何も大企業だけではありません。
大企業以外の有力な資金提供者の中でもとりわけ大量の政治資金を政治家に供与し続けている勢力が、
「医療」関係者
です。つまり、「医師会」や「日医連」などの、病院や医師達の関係組織、およびその構成員です。
例えば、岸田総理は、医療業界からかなりの大量の政治資金を受け取っています。
『日本医師会側から献金1400万円、総理就任直後に5倍増! 岸田首相が“賄賂メガネ”と大炎上』
https://news.yahoo.co.jp/articles/c5a82cf683982213fea408111923f8068e44e413
『自民総裁選出の日に1000万円献金「ご祝儀だ」 日医連が岸田政権誕生を後押し』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/264436
もちろん、岸田氏本人は、この件について国会で追及された際に「政策が変わることはない」と口では言っています。
しかしそれが本当なのかどうかは全く分からない、というのが実情です。
確実な証拠があるかどうかはさておき、こうした医療業界からの献金の「お返し」でもって、岸田総理が医療業界に利益を誘導する方向に政治を歪めている疑義を否定することはできないのです。
事実、岸田氏は、コロナの5類引き下げ次期を諸外国の基準から考えれば考えられない程に長く「先延ばし」しましたが、これが医療業界に多額の富を与えたという「事実」があります。
コロナについてのワクチンやPCR検査に対して大量の補助を出し、それを通して同じく多額の富を与えたという「事実」もあります。
これらの「事実」が政治献金の「帰結」であるということを「証明」することは容易ではないのかも知れませんが、そうである可能性は十分に存在しているわけです。
だから我々は、そういう「事実上の贈収賄行為」が、岸田総理と医療業界の間にあったのではないかという疑いの目を常に持ち続けねばならないのです。
そもそも、政治資金規正法の趣旨は…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)