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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

「京都大学レジリエンス・フェスティバル2023」は大盛況!この大成功をもって12年間続けてきた京都大学レジリエンス実践ユニットは一区切りとなりますが…今後も引き続き、よろしくお願いします!
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先日来ご紹介していましたが、昨日11月11日(土)、京都大学の時計台の大ホールで、京都大学レジリエンスユニット主催(表現者クライテリオン共催)のイベント、「京都大学レジリエンス・フェスティバル2023」が開催されました。

 

事前に実に定員500人満員の事前申込があり、当日参加の方もおられ、一時立ち見も出る程の大盛況。午後1時~午後7時までの6時間、会場は文字通りに暑い熱気に包まれた、メチャクチャに盛り上がる素晴らしいフェスティバルとなりました。

 

ご登壇頂いた先生方、お集まりいただいた皆様方、そして、フェス運営にあたって尽力頂いたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!

 

その内容は、

 

「自然災害レジリエンス」鎌田浩毅・白水靖朗

「医療レジリエンス」森田洋之・宮沢孝幸

「経済レジリエンス」柴山桂太・森永卓郎

「日本のレジリエンス」浜崎洋介・辻田真佐憲

 

の四本立て。当方はユニット長として全セッションに司会として参加し、各セッション90分、鼎談形式で討論いたしました。

 

この各テーマは、以下のような関係にあるものとしてプログラムしたのですが、この6時間ご参加頂いた皆様におかれては、その構図をハッキリとご認識いただけたのではないかと思います。

 

 

1)日本は文字通り国難の時代に突入している。日本の国力を超長期にわたって低迷させるポテンシャルを持った巨大地震、巨大火山のリスクや、同じく日本の国力を既に四半世紀以上にわたって毀損し続けるデフレ不況とそれが今後も数十年以上も継続するリスク等、このまま無為無策を貫けば、日本は文字通りの東アジアの小貧国、小極貧国へと転落することは確実な状況にある。

 

2)ただし、日本が小貧国、小極貧国に転落することを回避する様々な手立て、すなわち、大規模政府支出拡大に基づく、合理的なインフラ投資、分散型国土形成、デフレ脱却のための内需拡大策等が、学術的技術的に明らかとなっている。

 

3)しかし、政府の財務省は「緊縮」財政をカルト的に絶対正義として祭り上げ(それは「ザイム真理教」とも言われる)、彼らが持つ絶対的な政治権力を駆使しして、そうした大規模政府支出拡大を絶対に政府に実行させない、という状況が何十年にわたって続いている。この状況が継続する限り、日本はやはり、東アジアの小貧国、小極貧国へと転落することは確実である。

 

4)それ程までに重大な危機的状況に我が国はおかれているにも関わらず、今日本経済を流通するマネーを百兆円規模でかすめ取っているのが、医師・病院・製薬メーカーを中心とした医療ビジネス業界である。彼らは、国民の生命と健康を守るという建前を掲げながら、実際には人々の健康や幸福を激しく毀損しながら自らの収益の最大化を目指した医療医療ビジネスを強力に推進、拡大し続けている。その結果、日本経済はますます困難な状況に転落し、日本の転落をさらに確実なものとしている。

 

5)こうした重大な諸問題を明らかにし、改善・解消すべき立場にいるべき政治家、マスコミは沈黙を貫いている。それどころか、彼らは、その諸問題を推進する財務省や医療ビジネス業界の破壊的行為に政治的、ジャーナリズム的に「加担」し、彼らの破壊行為をさらに加速させるという「極悪非道」を―――意図的か無意図的かはさておき―――繰り返している。

 

6)かくなる上は、こうした重大な問題の所在と構造を公正中立な立場から明らかにし、世間に対して告発できる、最後の砦は、学術界・アカデミズム界をおいて他はない。こうした認識から、地学の鎌田教授は南海トラフ地震は「2035年に来ると想定すべきだ」と断定的に警告を発し、経済学の森永教授は「財務省は緊縮財政は絶対的教理とするカルト教団に過ぎない」と告発し、ウイルス学の宮沢准教授は、コロナウイルスが遺伝子操作によって人為的に作られた疑義やワクチンの危険性を科学的に告発すると同時に、本フェスティバルは、上記の1)から5)の問題構造をフェスティバル全体を通して描写線と試みている。

 

7)しかし、その最後の砦の学術界・アカデミズム界においても、こうした問題意識を持ち、自らの学者としての責任を畑さんとする学者は、本フェスティバルへの登壇依頼を行った者以外極めて少ないのが実情である。すなわち、学術界といえど、戦後日本において強力に進行している「腐敗」から逃れ得る事はできない状況になりつつある。

 

8)ことココにいたった根本的原因は日本において「信仰」が失われたからに他ならない。具体的に言うなら、日本人が古来より大切にしてきた「敬天」の精神が失われたが故に、学者は学者、ジャーナリストはジャーナリストの、そして、政治家は政治家の本分を果たさねばならぬという意識が希薄化・蒸発してしまい、本来の責任の全てを放棄しつつ、自らの保身と利益拡大のためだけに自らの職能や職権を振り回す輩に堕落してしまった。

 

9)この惨状を幾ばくかなりとも改善していかんとするのなら、日本中の全員が信仰を失い、良心を失ったとしても、自分一人だけでも信仰・良心を失わず、敬天愛人の精神の下、自らの生命も含めたあらゆるモノを賭けた上で「戦い続ける」のだという決意と実践を、一人でも多くの人々が志し、それと同時に、その決意と実践を次世代に対して伝承し続けていく他になすべきことは他ない。それができる限りにおいて、我々は「勝利」することができなかったとしても、「負ける」ことは永遠にあり得ないということになるのである。

 

…おそらく、初めて以上の1)から9)をご覧になった方は、少々理解するのに時間がかかるかも知れません。

 

事実、こうした1)から9)の全体問題構造は、当方毎日毎日、意識的に認識した上で、あれこれ活動・仕事を続けているのですが、それぞれの局面の活動・仕事は、どうしてもその全体問題構造のごく一部に関わるものに過ぎないため、なかなかその全体問題構造全体を他の方にお伝えするのが難しい…と感じていたものなので、俄にご理解いただけなかったとしても、致し方ないものと思います。

 

ですが、少なくとも昨日の6時間のフェスティバルに全てお付き合い頂いた皆様は、この1)から9)の内容を、手触りや質感、熱感ある形で、理解、というか体感いただけたのではないかと思います。

 

当方がそう感じたからこそ、今回のフェスティバルは大成功だったのではないかと、大いに満足いたしている次第です。

 

宮沢先生のセッションは残念ながら、Youtubeを介した医療ビジネス業界からの不当な「言論弾圧」にあっているため、Youtube掲載はできないのですが、それ以外のセッションは全て、おってYoutube公開させていただきます。

(下記チャンネル”藤井聡チャンネル『表現者クライテリオン』”にご登録頂ければ、スグに通知が参ってご視聴願えます。是非、ご登録ください!

https://www.youtube.com/channel/UCE8qPb4i2vMjLlnRHJXmL1w

 

昨日ご参加頂いた方も頂けなかった方も、動画配信がなされました暁には是非、ご視聴いただきたいと思います。

 

 

ちなみに、このイベントを持って当方のユニットの活動総括とし、本ユニットは本年度をもって終了、となります。今後は、浜崎さんが特定准教授に赴任された、先月1日に設置された京都大学経営管理大学院レジリエンス経営管理研究講座等で、本ユニットの活動は引き継いでいくこととなります。

 

本ユニットにご支援、ご協力いただきました皆様方、とりわけ本フェスにご参加頂きました皆様方、誠にありがとうございました。改めて心から御礼申し上げます。

 

まだまだ色々な場を通して、1)から9)の問題認識構造に基づくレジリエンス確保活動は続けて参りたいと思います。

 

是非また、お目にかかりましょう!

ありがとうございました!!

 

追伸1:レジリエンス実践ユニットのメインのイベントは昨日で終了、となりますが、いくつかのサブ領域の研究活動は、年度末に向けてまだ継続します。その一環として、経済レジリエンスについての下記イベントを、今週金曜日(11月17日)の午後7時から、東京で開催します。

https://the-criterion.jp/symposium/231117-19/

まだまだ残席が残っているとのこと。出席者各位に筆者の新著『インフレ時代の、「積極」財政論』を謹呈差し上げる出版記念セミナーです。是非、ご参加下さい!(参加申込は、下記よりお願いします。)

https://the-criterion.jp/symposium/231117-19/


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