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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

経団連は、「自分達の利益」のために「消費増税」を要求し続ける、偽善にまみれた「腹黒いゲスの極み」である(その1)

 今日は、日本の腐敗として「ワクチン」を進める厚労省&薬剤業界のどす黒い腐敗を書こうと思っていたのですが…とんでもないニュースが飛び込んできたので、取り急ぎ、その批判をいたしておきたいと思います。

 というのも、日本の大企業の連合体である経団連(日本経済団体連合会)は11日、2024年度税制改正に向けた提言を発表したのですが、その中で、岸田政権が進める「異次元の少子化対策」など社会保障政策の財源としては「消費税」が有力な選択肢の一つだと公表したのです。

 

 そもそも経団連が消費増税を政府に「要求」する声明を出したといことですが、彼らは今回のみならず、かねてからいつも消費増税を政府に要求し続けており、これまでの消費税の引き上げが進められてきた事の重要な推進力の一つを提供してきたのが実態です。

 例えば、経団連の十倉雅和会長は、新聞等のインタビューで常に「消費増税」の必要性を主張してきましたし、2012年には「財政再建の提言書」をとりまとめ、この中で、消費税率を2025年までに19%にまで引き上げることが必要だという、大胆な主張を公表しています。

 多くの国民は、経団連のこうした「消費増税要求」活動に不思議な気持ちをお持ちなのではないかと思います。そもそも経団連は日本企業の団体で、日本企業の主力のマーケットは日本経済だからです。消費増税なんかしてしまえば内需が縮小し、日本経済が低迷してしまい、そのあおりを受けて、経団連の各社も損失を出してしまうことは明白だからです。

 では、経団連は本当に「財政破綻が恐ろしい!だから、自分たちは損をしてしまうが、財政破綻による巨大な国益の毀損を回避するために、消費増税をしっかりやってもらって、財政を守り切ってほしい。僕たちは自分たちは損をしても、ニッポンの財政再建のために、消費増税に協力するのダ~!」という気分で消費増税を主張しているのかと言えば、天地神明に誓って、そんな事は絶対にありません。

 彼らは営利を追求する民間企業の連合体なのであって、しかも、地域に根ざした地場産業からはほど遠いグローバルなマーケットで活躍する世界的大企業を中心とした大企業群なのですから、彼らは民間企業の中でもとりわけ冷徹に「営利追求」を目指しているのです。

 では、そんな経団連企業達にとって、消費増税はなぜ、そんなに「オイシイ」ものなのでしょうか?

 その理由は2つ、です。いずれの理由も、「政府に消費税増税をしてもらうことで、各企業の利益が増えるから」というものです。つまり、増税で利益が増えるメカニズムが、少なくとも以下に述べる2つ存在するが故に…

… … …(記事全文3,125文字)
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