■週末(7/30-31)も統一教会の問題がテレビ報道の主役となった。TBSのサンジャポが大きく取り上げ、日テレのバンキシャでは自民党元参院議員の伊達忠一の証言に焦点が当った。電話取材に応じた伊達忠一は、2016年の選挙で安倍晋三に統一教会の組織票を依頼していた経緯があったことを明らかにした。伊達忠一がその返礼に2020年に韓国で開催された統一教会の集会に出席し、壇上でスピーチした映像も紹介された。平日のミヤネ屋同様、日テレのこの問題への集中度が熱く鋭い。 31日の夕刻、共同通信の世論調査が発表され、岸田内閣の支持率が12ポイント下がって51%となり、また、国葬についても反対53%、反対45%となり、反対が賛成を上回る結果となった。マスコミの世論調査では初の事態である。今回の共同の調査には統一教会関連の質問は入ってない。が、一週間後のJNNの調査には必ず含まれるはずだ。無論、国葬の是非も入る。内閣支持率の下落も含めて、どのような数字になるか大いに注目される。コロナ禍第7波の影響も重なるので、大幅な支持率低下が予想される。 ■安倍晋三の国葬予定日は2か月後の9月27日。9月前半とされる改造日程、そして臨時国会の開幕を睨んで、統一教会をめぐる問題はどんどん加熱し、自民党に対する世論の批判が高まる進行は間違いない。それは同時に安倍晋三への国民の評価が失墜し、安倍晋三の存在がプラスシンボルからマイナスシンボルにスイッチする移行過程でもある。このまま、先週暴露された山本朋広の「マザームーン」の陶酔と絶叫のような証拠映像が次々とテレビに出続けたら、2か月後の国葬催行は冗談のような絵になる。 マスコミ論者は、世論調査結果を後追いするコメントを吐いてギャラを稼ぐ業界商売人だから、2-3週間後には全員が国葬反対の主張に変わっていておかしくない。支持率が下がる中、"聞く力“がモットーの岸田文雄はどう出るだろう。簡単に国葬を先送りしたら、党内保守派の逆鱗を買い、安倍シンパの保守系論者から袋叩きされる。だが、世論に抗して国葬を強行した場合は、支持率が30%台に落ちる。秋から冬、来年にかけて値上げラッシュで国民生活はきわめて深刻な事態が想定され、岸田文雄の政権運営は窮地に陥るはずだ。… … …(記事全文3,713文字)
世に倦む日日
田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)