━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/07/20 1年以内の衆参両院選挙で三大問題を判断 第291号 ──────────────────────────────────── 次期総選挙は2013年秋までに必ず実施される。 参議院選挙も2013年夏に実施される。 2010年7月参院選から、衆議院の解散がなければ国政選挙が丸3年実施さ れない、いわゆる「空白の3年」のタイミングに遭遇したが、気付いてみると、 もう、残すところ1年を切った。 この「空白の3年」とは何を意味していたか。 それは、財務省が必ず消費増税を仕掛けてくると考えられるタイミングである ことを意味していた。 選挙が近づく前に増税を決定、実施しにくい。 選挙を実施したあとに増税を実施するには、選挙で増税を問わなければならな い。 政治的に増税を通すことは難しいから、増税は、一般的に、選挙と選挙のはざ ま、できるだけ国政選挙と国政選挙の時間が開くタイミングで決定したい。こ れが財務省の思惑だ。 2009年8月30日に総選挙があった。衆議院解散がなければ、2010年 夏の参院選後は、2013年夏まで国政選挙がない。財務省は、この2010 ~2013年の3年間が消費増税決定の千載一遇の時機であると考えてきた。 この基本戦略に合わせる形で、自民党は2009年3月に所得税法附則104 条を整備した。2011年度中に消費増税を含む税制上の措置を講じることを 法律に明記したのだ。 ところが、財務省には大いなる心配があった。 小沢一郎氏が率いる民主党が大躍進を遂げ、政権交代を窺う状況を示し始めて いたからだ。 小沢氏は「国民の生活が第一」とのスローガンを掲げて、解党の危機にあった 民主党を救出し、民主党による政権奪取を視界に入れるところまで、民主党を 躍進させていた。… … …(記事全文5,378文字)
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植草一秀(政治経済学者)