━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/07/16 脱原発を実現するには民自公政権退場が必要 第287号 ──────────────────────────────────── 将来の原発比率はどれくらいがいいか。 政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聞くという会が埼玉、仙台で開催 され、早くも馬脚を現している。 昨日のブログ、メルマガに「審議会の手法」を書いた。 有識者の学識、見識、良識に委ねて重要問題を審議するというものだが、その 実相は、官僚機構が決定する案を正当化するための手法に過ぎないことを指摘 した。 小泉政権がタウンミーティングを実施した際、「やらせ」が発覚した。 タウンミーティングで市民の意見を聴く会を装いながら、そのやり取りがやら せであったことが発覚した。 タウンミーティングには巨大な国費が投入され、そのカネが、大手広告代理店 に流れていたことも判明した。 原子力発電所の再稼働をめぐっては、九州電力が昨年の原発事故のあとでも 「やらせミーティング」を行っていたことが判明した。 いわゆる「偽装」である。 今回の原発比率問題では、仙台での会合で、東北電力執行役員企画部長と東北 エネルギー懇談会の専務理事が発言権を得て発言した。 そもそも、この会の運営そのものが公正でない。 政府は2030年時点の原発比率について、(1)0%、(2)15%、 (3)20~25%の三案を提示した。 今回のタウンミーティングでは、この三つの案のそれぞれの賛成意見を3人ず つが発言する形式で行われた。 事前に意見表明希望者を募り、抽選で3案について、3人ずつの発言者を選ん だとされる。 しかし、意見表明希望者の人数が3案でまったく異なる。 事務局発表では、聴取会に175人の参加応募があり、抽選130人を選んだ。 このうち意見表明を希望したのが93人だった。3案の内訳は、0%案が66… … …(記事全文5,373文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)