━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/07/17 次期総選挙の二大争点はこれだ 第288号 ──────────────────────────────────── 7月16日、脱原発を訴える市民によるイベント「さようなら原発10万人集 会」が東京・渋谷区の代々木公園で開催された。猛暑日となったこの日、会場 には主催者発表で17万人の市民が集まった。 集会の呼び掛け人の一人である音楽家の坂本龍一氏は次のように述べた。 「たかが電気のために美しい日本、国の未来である子どもの命を危険にさらす べきではない。子どもを守りましょう。日本の国土を守りましょう」 これが日本の主権者=市民の声である。 野田氏は市民の声を「音」と発言したと伝えられている。 野田氏が市民の声を音だと主張しても、それは野田氏の勝手だが、日本の主権 者は野田氏ではなく、市民であることを忘れてはならない。 本当の政治家は、主権者である市民、国民の声に耳を傾け、市民の声を政治に 反映させようとする。 しかし、野田氏は市民の声を踏みにじり、市民との約束をかなぐり捨てて、官 僚や米国、そして大企業の利益のために日本政治を運営している。 ここに現代日本の悲劇がある。 この政治の現実を市民の手で変えてゆかなくてはならない。 脱原発を求める市民の声が大きくなっているのは、3.11の核暴走事故とい う現実が私たちの前に広がったからだ。 福島原発が爆発し、大量の放射性物質が飛散した。 原発周辺の土地は死の地に変じ、いまや人間を寄せ付けない危険地帯と化して しまった。 かけがえのない大地、かけがえのない自然、かけがえのない故郷が、永遠に損 なわれてしまったのだ。 福島の核暴走事故は、地震と津波によって発生した。 日本は地震国であるから、巨大な地震がいつ発生するか分からない環境のなか にある。巨大地震が発生すれば、当然、巨大津波も発生する。… … …(記事全文5,088文字)
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植草一秀(政治経済学者)