━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/28 日本の現状は世界有数の暗黒国家のひとつ 第271号 ──────────────────────────────────── 検察が検察の巨大犯罪を無罪放免にした。 予想された事態であるとはいえ、完全に常軌を逸している。 私たちはこの事実から、この国の、警察、検察、裁判所制度が、完全に常軌を 逸しているという現実を正確に認識しておかねばならない。 そのうえで、警察・検察・裁判所による措置および決定を「相対化」する感性 を備えることが不可欠である。 「相対化」するとは、「絶対化」しないということである。 警察・検察・裁判所が示す結論や判断に対して、数ある見解のなかのひとつに すぎないという程度に受け止めることが不可欠なのだ。 警察・検察・裁判所が十分に信頼できる存在であるなら、警察・検察・裁判所 の判断、結論を重く受け止める必要があろう。 しかし、警察・検察・裁判所が信頼できない存在であるなら、その組織が示す 判断、結論も信頼できないものということになるからだ。 とりわけ、政治的な背景を伴う場合にこの傾向は顕著になる。 オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン教授が著書『誰が小沢一郎 を殺すのか』で詳述したcharacter assassination、すなわち人物破壊工作と呼 ばれる政治謀略は、日本でも確実に実行されている。 小沢一郎氏はその最大の標的であるが、私もまた、その最重要標的にリストア ップされた者の一人なのだと思われる。 権力は、警察・検察・裁判所とマスメディアを総動員して人物破壊工作を実行 する。この工作によって、無実=無辜の人間の社会的生命が抹殺されるのであ る。 小沢氏の場合、問題にされた対象は、およそ犯罪とはかけ離れたものである。 西松事件では、二つの政治団体からの政治献金を収支報告書に事実通りに記載 したにもかかわらず、検察から虚偽記載であるとの因縁を付けられた。 ヤクザの恫喝以下の行動と言わざるを得ない。… … …(記事全文5,386文字)
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植草一秀(政治経済学者)