━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/29 迫りくる総選挙に際しての三大戦術 第272号 ──────────────────────────────────── 消費増税の筋書きを書き、政治家を誘導してきたのは財務省である。 野田佳彦氏は2009年8月の総選挙の時点では、「シロアリ退治なき消費増 税阻止」の看板を掲げていた。 しかし、岡田克也氏はもとより、「シロアリ退治なき消費増税阻止」の考えは 有していなかった。 財務省は2009年5月の小沢一郎民主党代表が代表職を辞する際に、岡田克 也氏を民主党代表に就任させたかった。 総力を挙げて岡田氏を支援したが、鳩山由紀夫氏が勝利した。 小沢元代表が、メディア総攻撃のなかでも、「引責辞任」としなかったことが 鳩山氏の勝利をもたらした。 米官業利権複合体にとって、小沢-鳩山ラインが最大の攻撃対象であり続けて いる。 これはいまもまったく変わっていない。 小沢-鳩山ラインが攻撃対象である理由は単純明快である。 米官業による日本支配を覆そうとしているからだ。 野田氏は「シロアリ退治なき消費増税阻止」の看板を掲げたが、財務省が目指 しているのは、「シロアリ退治なき消費増税」そのものであった。 この路線に沿って、終始一貫動いているのは、岡田克也氏である。 岡田克也氏は、2009年8月総選挙に際しての民主党マニフェストに、「天 下り根絶」と書き込むことを体を張って阻止した。 岡田氏が書き込んだのは「天下りあっせんの根絶」だ。 これなら、自民党政権でもやっていた。 「あっせん」の根絶は、すべての天下りを、「あっせんはなかった」とすれば、 正当化できる措置である。つまり、「天下りあっせんの根絶」とは、「天下り の全面容認」とされる可能性が極めて高い措置なのだ。… … …(記事全文5,490文字)
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植草一秀(政治経済学者)