━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/24 日本政治を暗黒政治に陥らせてはならない 第266号 ──────────────────────────────────── 日本国憲法前文は次の書き出しで始まっている。 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」 そして、次の言葉につながる。 「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国 政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その 権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これ は人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われら は、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」 政治の主役は政治家ではない。国民である。 すべての国民が直接政治に携わることはできないから、 国民は、「政党に選挙された国会における代表者」を通じて行動しているので あって、「国会における代表者」である国会議員は、主権者国民の意思と離れ て行動することは許されていない。 そもそも「マニフェスト選挙」は、政治家が選挙の際に示す公約に対して無責 任であることに対する反省から生まれたものである。 選挙の際に主権者国民と約束しながら、その後にこの約束を一方的に反故にす る。こうした政治家の無責任な行動を排除するために、「マニフェスト」とい う名の契約書を交わすことを、主権者国民が政治家や政党に求めるようになっ たのだ。 政治家と政党は、選挙の際の主権者国民との約束、契約であるマニフェストに 縛られる存在である。 このマニフェストについて、もっとも分かり易い解説を示したのが野田佳彦氏 である。 「マニフェスト、イギリスで始まりました。 ルールがあるんです。 書いてあることは命懸けで実行する。 書いてないことはやらないんです。 それがルールです。 書いてないことを平気でやる。 これっておかしいと思いませんか。… … …(記事全文6,269文字)
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植草一秀(政治経済学者)