━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/01/12 小沢氏裁判根拠の登石判決揺るがす重大新証拠が浮上 第104号 ──────────────────────────────────── 日本では裁判所が法の番人としての機能を果たしていない。 三権の分立が確立されておらず、司法権が行政権の支配下に置かれてしまっ ている。行政権のトップは内閣総理大臣だが、内閣総理大臣が司法権を握ると いう事態が生じている。 つまり、裁判所が「法の番人」として機能するのではなく、「権力の番人」 として機能する状況が著しく強まっている。 刑事事件の捜査機関である検察・警察組織は、背後で米国からの強い影響を 受けている。日本を支配し続けてきた権力は、戦後一貫して米国と官僚組織と 蜜月を続けてきた。これに大資本が加わり、さらに情報統制機関としてのマス メディアが加わり、米官業政電の利権複合体、悪徳ペンタゴンを形成してきた。 利権複合体を攻勢する五つの存在、すなわち、米国、官僚、大資本、政事屋、 マスメディアの五者の関係をより正確に観察するならば、すべての頂点に立っ ているのは米国である。米国の支配下に官僚、大資本が存在し、この三者に協 力する部隊としてマスメディアと政事屋が位置すると言える。 つまり、「米国を頂点とするピラミッドの構造」が、より正確な表現になる と思われる。米官業政電が結託する「悪のピラミッド」と表現することが、実 態をより正確に表現するものであると考える。 行政権力の支配下に司法権を置いたのは明治である。三権分立を強く指向し た江藤新平を殺害し、霞が関による日本支配の構造を構築したのが大久保利通 である。 この系譜を引いて、日本では裁判所が「法の番人」として機能しない状況が 生まれている。 とりわけ、オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏が著した 『誰が小沢一郎を殺すのか』(角川書店)が、Character Assassination=人物 破壊工作の存在を明示したことにより、政治権力を握る者が司法権を掌握して しまうことの恐ろしさが、より鮮明に理解されるようになった。 すなわち、時の権力は、権力に対する政治的敵対者に対して、政治的な謀略 を仕掛け、これを、警察・検察権力および裁判所権力を持って抹殺することが 可能になるとの、メカニズムがはっきりと浮かび上がってきたのだ。 近年の事案のなかに、この範疇に括られる事案が多数存在していることは、… … …(記事全文6,884文字)
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植草一秀(政治経済学者)