━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/01/11 腐敗裁判弾劾のため人民裁判所を創設しよう 第103号 ──────────────────────────────────── 小沢一郎氏が法廷で証言しているが、どのような問題が裁判の争点になって いるのかを明確にしておかなければ、すべての議論が上滑りの議論になる。 いま、裁判で争われていることは、次の事項である。 小沢氏の秘書が提出した政治資金収支報告書に事実と異なる記載があったと されている。 仮に、事実と異なる記載があったとの前提を置いたときに、小沢氏にその責 任があるかどうかが審理の対象になっている。 秘書が仮に「虚偽記載」という罪を犯したとの前提を置いて、そのとき、小 沢氏が秘書と「共謀共同正犯」という、共犯関係にあったのかどうかが問われ ている。 いま審理されている裁判の焦点は、政治資金収支報告書への虚偽記載につい て、小沢氏の共謀共同正犯が成り立つのかどうかにある。 マスメディアは大騒ぎをして、小沢一郎氏がまるで重罪人であるかのような 報道を繰り広げている。これに加担するキャスター、コメンテーターの姿は本 当に醜悪だ。吐き気を催す。 報道機関は公判報道について、被告人の呼称を、それぞれのケースで使い分 けている。被告人であっても、「元社長」などの敬称を付けることもあれば、 「被告」と表現することもある。客観的な敬称使用基準を公開しなければ、報 道姿勢の中立性は確保されない。 日本テレビ、フジテレビなどが、盛んに「小沢被告」と表現して、イメージ 操作を行っていることが鮮明に分かる。 「虚偽記載」を重大問題だとしてメディアが騒ぎ立てているが、「虚偽記載」 自体を問題とするなら、「新政治問題研究会」および「未来産業研究会」から 献金を受けた政治資金管理団体は、すべて同罪である。 小沢一郎氏の資金管理団体も、献金を行ったこの二つの政治団体名を「寄附 した者」として報告した。20名近くの国会議員の資金管理団体が、すべて、 二つの政治団体名を「寄附した者」として収支報告書に記載した。 これが、「虚偽記載」という「犯罪」なのだというのが検察の主張である。… … …(記事全文6,704文字)
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植草一秀(政治経済学者)