━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/01/02 2012年の日本が解決すべき五つの重要問題(2) 第94号 ──────────────────────────────────── 2012年に解を見出すべき五つのテーマを記述した。 消費税 原発 TPP 普天間 復旧・復興・回復 である。 このいずれもが重要な課題である。 主権者国民の声はどのようなものか。 国民の声は、被災地の復旧・復興、そして日本経済の回復を望んでいる。年 金の給付開始年齢が引き上げられ、企業に対して65歳までの雇用を義務付け たところで、日本全体での雇用量が拡大しなければ雇用年齢の引き上げなど絵 に描いた餅である。 震災発生から10ヵ月になろうというのに、被災地の復旧、復興は遅々とし て進んでいない。 生活する住居、仕事をする職場、人々が交流するコミュニティーが再建され て、初めて生活は再建される。 地震・津波は天災だが、原発事故は人災である。 原発事故を引き起こした事業者と政府に対する刑事責任の追及が不可欠だが、 事故発生から10ヵ月経ついまも、捜査当局は捜査に着手すらしていない。市 民からの刑事告発を待って捜査が始まることになるのだろう。 財政再建は大事な課題だが、経済の健全化なくして財政の健全化は実現しな い。1993年から2000年にかけて米国は、驚くべき財政健全化を実現し た。年間30兆円の財政赤字が年間20兆円の財政黒字に転換したのだ。 この手法を私は1990年代を通じて紹介した。FRBとクリントン政権は 経済の回復を優先した。FRBは市場に驚きを与えながらも、実質短期金利を… … …(記事全文6,222文字)
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植草一秀(政治経済学者)