━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/30 2012年政界大再編の引き金を引く消費税問題 第91号 ──────────────────────────────────── 民主党税制調査会が消費税率引上げの方針を固めた。 消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる ことを決めたのだ。 野田佳彦氏は、主権者国民との契約、政権公約を踏みにじる行動を強硬に推 進している。主権者国民は、民主主義の根幹を踏みにじる野田佳彦氏を絶対に 許してはならない。 次期総選挙では、野田佳彦氏を必ず落選させねばならない。 野田氏は民主党税制調査会での了承を取るために、三つの条件を提示した。 第一に、増税時期を当初の案よりも半年、後ろにずらした。 第二に、景気条項を設定した。つまり、景気が回復しない場合には消費税増 税を見送ること。 第三に、消費税増税を決定する前に、議員定数削減、公務員給与引下げを実 行すること。 しかし、野田内閣十八番のあいまい決着だ。 菅直人氏の「一定のめど」以降、言葉の綾を使って言い逃れをする悪弊がは びこっている。 野田氏の場合、TPP交渉への参加意思を表明したが、その具体的行動が関 係国との協議に入ることであったことから、国内での説明では、この具体的行 動を最終結論だと言い抜いた。 その結果、野田氏がTPP交渉への参加表明をしなかったとの珍解釈が生ま れる余地が作られた。 ところが、実際には、野田氏が米国大統領に対して、すべての品目を貿易自 由化交渉のテーブルに載せることに同意する意思表示をしていたことまで暴露 された。 言葉の綾を用いて、内容を曖昧にしてごまかすのは姑息である。卑怯でもあ る。首相としての品格を保持していない。菅直人氏、野田佳彦氏と、二代続け て姑息な小人が日本政治のトップに座ってしまっている。… … …(記事全文5,139文字)
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植草一秀(政治経済学者)