━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/11 3.11の叫びを聞き取れない野田政権バカの壁 第72号 ──────────────────────────────────── 3.11は日本の歴史の転換点になる。 それほどの重大性を帯びている。 これまでの当たり前が当たり前でなくなった。 この意味を見つめ直さなければ、2万に到達しようとする死者、行方不明者 は浮かばれない。 枝野幸男氏が国会で暴言を吐いた。 12月6日の衆議院震災復興特別委員会で社民党の服部良一議員の質問に対 する答弁で暴論が示された。 原発の再稼働について、原発安全神話が崩壊した以上、福島のような原発事 故が再び起こり得るとの前提の下で再稼働を認めるのかとの質問に対する答弁 においてである。枝野氏は次のように述べた。 福島第一原発のような原子力事故を二度と発生させてはならないが、人間の やることに「100%」はありえない。原発再稼働に際しては、福島のような 事故が発生し得るとの前提の下で進める。 事故が起きてはまずいが、もし事故が起きた場合でも、周辺の住民の方が安 心して暮らしてゆけるように、損害賠償のあり方について、心配のないような 体制を整備しておくことが重要で、そのために支援機構などを発足させ、従来 の原賠法を抜本的に見直すこととした。 原発事故が発生した場合に、被害を受けた被害者が損害を賠償されるべきこ とは当然だ。 枝野氏は原賠法ではこの点が担保されておらず、新しい支援機構でこれが可 能になったから、原賠法を見直す方針であると述べたが、事実誤認も甚だしい。 社民党の服部議員は勉強不足なのか、政府に対する追及があまりにも手ぬる かった。 原子力損害賠償法は、第十六条に次の条文を置いている。… … …(記事全文4,763文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)