━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/10 御用報道機関に堕したNHK抜本改革の方策 第71号 ──────────────────────────────────── 野田政権が主権者国民の意思を踏みにじり、消費税大増税の方針を定め、暴 走をしているが、メディアがこれを諌めない。小沢一郎氏系議員閣僚の揚げ足 取りだけにうつつを抜かし、肝心要の政府政策の非正統性を指摘もしない。指 摘しないどころか、政府万歳、財務省万歳の報道方針が貫かれている。 これでは、北朝鮮の報道と大差がない。 これらの偏向報道の裏側にTPRという巨大プロジェクトが動いていること はあまり知られていない。 私は大蔵省に2年間在籍して、TPRが始動した局面でTPR事務局の一員 を務めたことから、このTPR発足時の全貌を掌握している。 その一部を、拙著『日本の再生』に記述した。以前に執筆した本にも書いた。 つい最近は、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第66号にも書い た。 そのメルマガの読者から、このような重要な情報はブログにも掲載して、広 く拡散を図ってほしいとの意見をいただいた。 そこで、TPRについての概略を説明したい。 TPRが開始されたのは1985年である。中曽根政権が売上税導入を画策 した。大蔵省は売上税検討方針が閣議決定される前から自民党の売上税解説書 を執筆していた。 大蔵省は中曽根政権の売上税提案を推進するために、財政金融研究所研究部 を事務局とするTPRプロジェクトを立ち上げた。TPRとは、TAXのPR という意味である。 TPRの活動は大きく分けて三つあった。 第一は、政界・財界・学界3000人リストを作成し、この全員を説得する というもの。リストアップされた3000人の全員に対して大蔵省幹部が説得 に出向いた。了解を取り付けた人物にはリスト上に丸印が付される。説得工作 が失敗した場合にはX印が記され、ひとつ階級の高い官僚が次の説得に向かう。 売上税導入に反対する人物には、最終的には事務次官までが対応するとの態勢 が敷かれた。… … …(記事全文6,608文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)