━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/11/24 欧州危機下NY株価急落背後にある巨大リスク 第55号 ──────────────────────────────────── スリーネーションズリサーチ社で発行している『金利・為替・株価特報』で は、現在の金融市場推移が2008年8月から2009年3月にかけての状況 と類似しているとの見方を提示し続けている。 http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html NYダウの推移でみると、NYダウは2008年9月15日のリーマンブラ ザーズ破綻を契機に急落を演じた。世界最大の保険会社であるAIGの実質破 たん、米政府住宅公社の政府管理下への移行などがその背景である。 その後も金融市場の混乱は続き、2009年に入ってNYダウは3月9日に 6547ドルにまで急落した。 しかし、その直後、2009年3月26日発行に発行した『金利・為替・株価 特報』087号には、 第3節「米国株式市場に変化の兆候」 と題して、米国株価底入れの可能性を指摘した。現実に、2009年3月を境 に米国株価は反発に転じた。 『金利・為替・株価特報』087号第3節の内容を以下に転載する。 「米国株式市場に変化が観察されている。NYダウは3月9日に6547ドル まで下落した。1997年4月以来、約12年ぶりの安値を記録した。200 7年10月9日の14,164ドルから7617ドル、53.8%下落を記録 している。 (中略) ところが、こうした情勢のなかで、微妙な変化が見られ始めている。米国住 宅建設市場に底入れの兆しが示され始めた。また、下落し続けてきた住宅価格 に下げ渋りの兆候が見られ始めた。 (中略) 政策対応としては三つの重要施策を指摘できる。 ①第一は、オバマ政権が総額7800億ドルの財政政策を決定したことであ る。議会では共和党の一部が反対に回ったため、オバマ政権は反対派の意向を 取り入れて規模を縮小して早期の景気対策決定を実現した。柔軟で迅速な対応 が示された意味は大きい。 ②第二は、FRBが3月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、長期… … …(記事全文5,284文字)
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