… … …(記事全文5,408文字)関西万博「未来社会のデザイン」「未来社会の実験場」というコンセプトのなか、堂々と伝統療法「ハロセラピー」を出展したパキスタン館が人気。岩塩は「ヒーリングオブジェ」として欧州医療機関に輸出されている
◆〔特別情報1〕
ゴールデンウイークに入ってから、緊張状態が報道される印パ「カシミール観光客銃撃事件」の真相を取り上げてきた。仏教が慣習的に日常に馴染んでいる日本では、インドに対しての関心はそれなりにあっても、イスラム教のパキスタンに対しての関心は薄いのが実情である。ところが、関西万博では興味深い現象が起きていたようだ。
毎日新聞は1日、「花粉症が軽減? 『ピンクソルト』の魅力に迫る万博・パキスタン館」という見出しをつけて次のように報道した。
「床から柱のようなオブジェまで、ほぼ全てがピンクの岩塩で覆われている。まるで洞窟のような異空間が、大阪・関西万博の会場にある。複数国が出展している『コモンズD』の一角に設けられた『パキスタン館』は、入場待ちの行列が絶えない人気スポットだ。『きれい』や『癒やされる』という声に加え、『花粉症に効くかもしれない』と一部でささやかれているという。どういうことだろう」
イスラム世界に精通する外国人記者は、開幕と同時に記者として関西万博に招待され参加してきたという。ところがその時、まだパキスタン館は出展が開幕に間に合っておらず取材できなかったという。その彼に、遅れて設置されたパキスタン館が、行列が絶えないほどの人気らしいことを伝えたところ、俄かに信じ難いようで、まずは絶句していた。続けて「床から柱のようなオブジェまで、ほぼ全てがピンクの岩塩で覆われ、『癒される』と評判を呼んでいるらしい」と伝えると、ようやく少し納得した様子だった。
先の毎日新聞の記事には、次のような記述もされている。
「パキスタンは世界有数の岩塩の生産国だ。東部パンジャブ州には、岩塩を含む山脈『ソルトレンジ』が約300キロにわたって連なり、鉄分を多く含むピンクソルトの一大生産地となっている。中でも、地下坑道『ケウラ岩塩坑』は観光地としても知られ、坑内にはモスクの他、ヨーロッパなどにも伝わる伝統的な岩塩療法『ハロセラピー』のための施設もあるという」
ということで、イスラム世界に精通する外国人記者に、「ハロセラピー」について話を聞いた。以下、特別情報である。
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