… … …(記事全文4,918文字)医療・介護分野での報酬引き上げが続くなか、訪問介護の基本報酬引き下げは、介護分野で問題視されてきた「囲い込み・過剰介護」への改革と想定される。とはいえ、介護制度は抜本的な改革が求められ、実質破綻に向かっている。
◆〔特別情報1〕
「人生100年時代」真っただ中、2024年度介護報酬改定のなか、訪問介護の基本報酬引き下げが発表された。CBCテレビは、「人材不足が深刻な中、なぜ介護の基本報酬が引き下げられるのか?」という見出しで、次のように報道した。
「厚生労働省が来年度の介護報酬について、サービスごとの新たな基本報酬を公表しました。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの基本報酬が上がる一方で、訪問介護に関係するサービスの基本報酬は引き下げられることがわかりました。基本報酬はあくまでも事業所に支払われるお金に関係するため、そこで働いている方に直接お金が渡るとは限りませんが、それでも一定の影響はあると考えられます。賃上げの動きが強まる中で、なぜ逆行しているかのような政策が取られようとしているのでしょうか。」
これは、従来から介護分野で問題視されてきていた「囲い込み」「過剰介護」に対する改革が念頭にあるものと思われる。昨年5月、財政健全化に向けて国の予算編成などを話し合う財務省の審議会における政府への提言のなか、介護分野でサービス付き高齢者向け住宅に入居している高齢者に対する給付の現状を問題視し、その是正を重ねて要請していたことを受けての結論と考えられる。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)