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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

シリコン・バレー・バンク破綻、顧客会社の給与の未払いで、シリコンバレーで大量失業者。シリコンバレー不動産住宅ローンが様々なデリバティブに組み入れらており、2008年のリーマン・ショック再来。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2023年3月13日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シリコン・バレー・バンク破綻、顧客会社の給与の未払いで、シリコンバレーで大量失業者。シリコンバレー不動産住宅ローンが様々なデリバティブに組み入れらており、2008年のリーマン・ショック再来。(satoko女史) ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕  これは、在米30年超の個人投資家satoko女史からのトップ情報である。  先週が現在の金融制度の終わりの始まりだった。私たちが何年も待っていた「ブラック・スワン・イベント」は、結局、シリコン・バレー・バンク(SVB)の倒産だった。簡単に言ってしまえば、全米第16位の銀行が、リスク管理をせず、資産ポートフォリオが、主として米国債と顧客へのローンだった。米国債を簿価で評価すればよかったのに、市場価格を使った。安全資産であるはずの米国債は、金利上昇の現在では、リスク資産だ。結局、簿価評価で損失を計上した。そして、それをカバーするために、社債を発行しようとしたが、これに失敗した。そのため、先週の金曜日の朝、連邦預金保険公社(FDIC)が介入して管財人になった。一般の顧客は金曜日に、銀行から預金を引き出そうとして、各支店に押し寄せ、取り付け騒ぎになった。FDICは、25万ドルまでの保証額は、月曜日の朝、引き出せ、25万ドルを超える金額については、証書を発行する、と発表した。日曜日には、FDICが銀行の資産の入札売却を始め、その売却額は、簿価の30%から50%位になるだろうが、これは債権者に分配される。(債権者の優先順位で、預金者は社債保有者などの後になる。以前も書いたが、銀行に預けたお金は、もう預金者のものではない。銀行に貸し付けただけだ。リスクは預金者が負う。)さらに、連邦準備制度理事会は、全預金額を保証すると発表した。皆さんがこれを読んでいる頃は、現地時間の月曜日の朝なので、FDICと連邦準備制度の言ったことが本当かどうか判明する。  先週は非常に沢山のことが起き、SVBの倒産に至った訳だ。まず、先週水曜日に、Silvergate Capitalという、仮想通貨業界が全面的に依存していた金融機関が清算となった。これは去年11月の仮想通貨取引所FTXの破綻の余波だ。FTXの破綻に驚いたSilvergateの顧客が、預金引き出しに走り、結局、2022年第4四半期の決算で、10億ドルの損失を計上したのだ。仮想通貨が社会の認知を受けることができず、一般投資家は取引所に送金もできず、仮想通貨運営団体は銀行口座を開設することもできない中、仮想通貨業界の「メインバンク」として、非常に便利な存在だった。危ないと言われていたが、とうとう、破綻だ。その翌日、木曜日には、あのあくどいPayPal(ペイパル)創業者のピーター・ティールが、銀行から預金を引き出すように大投資家らに呼び掛けている。あわてて木曜日にSVBから全額引き出す手続きをした人でも、金曜日の朝一番に、他の銀行の口座に入金されていた預金者もあれば、FDICの介入の時間までに入金が間に合わなかった預金者もある。 ◆〔特別情報2〕  仮想通貨業界の「メインバンク」であるSilvergateが破綻して、仮想通貨業界の金融機関の次の破綻は、ニューヨークのSignature Bankではないかと言われていた。この銀行は、言ってみれば、アメリカの仮想通貨取引所大手のCoinbaseのメインバンクだ。それが日曜日に、監督当局の管理下に入った。本当に、次々と破綻している。仮想通貨の中でも1単位=1ドルにペグされていたステイブル・コインの中で、USDCという大手がある。以前、USDCも危ないと書いた記憶があるが、SVBの最大預金者が(少なくとも、破綻時点で)USDCの運営会社だったのだ。そのため1USDCは、一時、88セントまで下がった。現在は、何らかの介入で99セントまで持ち直している。Stableでなくて、Unstableになってしまった。USDCの運営主体は、これからどうなるか。また、他のステイブル・コインも運営主体が変わる可能性が大きくなってきた。さて、SVBはIT始め、多くのテクノロジー関係のスタートアップの銀行として、それらの会社が成長するにしたがって、SVBも大きくなって、全米第16位になった訳だ。そして、現在、それらの会社の財務状況が悪化するにつれ、テクノロジー関係の株式は下落するだろうし、金融関係の株式も下落する。また、多くの仮想通貨会社にも融資していたため、これから仮想通貨全般がさらに下落することが予想される。  今回のSVB騒ぎで驚いたのは、この銀行創立者は3人いるが、その中の1人がニューヨーク地区在住で、金曜日にあわてて、SVBのニューヨーク支店に駆けつけて、全額引き出そうとしたら、支店が警察を呼んでその共同創立者をつまみ出したことだ。その反対に、内部情報をもつCEOは、過去2週間に、持ち株を売り逃げしている(4億円位なので、大した金額ではないし、債権者から返却を求められている)。そうこうしているうちに、金曜日の朝、もう一つ事件があった。以前、バンク・オブ・アメリカで預金口座の残高が減っていると訴える人がいる話を書いたが、先週金曜日には、ゴールドラッシュの頃のカリフォルニアで創業された、ウェルズ・ファーゴー銀行で、預金残高減少という事件が起きた。これも、銀行の支店の従業員には、全く説明できない。以前、長年にわたり、顧客の預金口座をつまみ食いしてきたのが判明しているウェルズ・ファーゴーのことなので、驚くことでもないが、今後は、他の銀行でも同様の事件が頻発し、ある月曜日の朝、全米の銀行で一斉に「ヘアカット」が行われるのだろうか。
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