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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

◆『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊)  第9章 自民党との利権の争奪戦と分割統治   運輸利権

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2023年1月22日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊)  第9章 自民党との利権の争奪戦と分割統治   運輸利権 ───────────────────────────────────  村山連立政権の運輸相に就任した亀井静香は、「運輸利権の掌握に全力を傾注しはじめた。正確に言えば、奪還である。運輸利権は、運輸、物流、観光、鉄道、自動車交通(陸運)、海上交通(海運)、海上安全、港湾、航空、気象にかかわる壮大な特権の集まりである。  運輸利権は、もともと亀井静香の親分筋に当たる福田赴夫元首相率いた自民党派閥「清和会」と宮沢喜一元首相が領袖を務めた「宏池会」によって共同支配されてきた。このなかには、例えば、日本航空や全日空など航空会社に関わる利権が含まれている。  この会社には、福田赴夫元首相や宏池会に推薦されて就任した役員が主流を占めていたばかりでなく、社員のなかにも、これらの人脈で入社した者が多数いた。日本航空に巣くう利権の中身は、実にこれらのポストそのものであった。ポストには、役員報酬や給与という形の経済的な利益がついている。  この日本航空利権を横取りしたのが、中曾根康弘元首相だった。日航機が昭和六十年八月十二日、群馬県上野村の御巣鷹山に墜落し乗員乗客が死亡した大惨事が起きたとき、中曾根康弘は、当時の日本航空の経営陣の責任を追及した。この年の十二月十八日、これを口実に、社長の首を取り、自分の息のかかった山地進(元総理府副長官=事務)を新社長として送り込んだ。運輸相は、河本派の山下徳夫で、実権はほとんどなく、お飾り大臣だった。  中曽根内閣においても、福田派が、運輸相のポストを握っていた。第一次中曽根内閣で運輸相・長谷川峻(中川系、後に福田派)、第二次中曽根内閣では、細田吉蔵(福田派、運輸省官房長出身)が、就任している。安倍派(旧福田派)は、運輸相ポストを確保することによって日本航空利権の奪還に執鋤に努力し、平成二(一九九〇)年六月二十八日ついに山地進を実権のない会長に祭り上げるのに成功したのであった。新社長には、日航生え抜きの利光松男が就任した。  しかし、平成三(一九九一)年十一月五日成立した宮沢内閣の運輸相に奥田敬和(竹下派)が就任した。奥田敬和は、竹下派の七奉行と言われる実力者の一人だったが、小沢一郎が自民党を離党し新生党を結党した際、行動を共にし、現在は、新進党に所属している。
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