━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2022年7月10日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『ロックフェラーに翻弄される日本』(2007年11月20日刊) 第5章 クリントン政権とロックフェラーの「罠」に嵌った日本 米国が日本の「アジア通貨基金構想」に反発 ─────────────────────────────────── 1997年以来のアジア通貨危機に際し、アジア諸国のIMFへの不信感は急速に高まった。タイ、インドネシア、マレーシア、中国などが反発し、「アジア独自の通貨基金が必要だ」とアジア独自の救済基金を創設しようとの声が湧き上がった。 これに応えてIMFや世界銀行に代わる新しい体系として、日本は「アジア通貨基金(AMF)構想」を打ち上げた。既存の金融秩序を保証していた先進国が、自国の利益を優先させるだけでアジアの通貨安定に寄与しない事実が明らかになってきたからである。最大の出資国は日本である。日本が主導することが期待された。日本は、総額1千億ドルの基金の半分、500億ドルを負担することを内定していた。 この構想は、大蔵省の榊原英資財務官の発案だった。公式には、松永光蔵相が明らかにした。しかし、アジア通貨基金構想が具体化するにつれて、IMFや世界銀行、米国の反発が強まってきた。米国では、 「戦後半世紀にわたり、IMF・世界銀行によって維持されてきた国際金融秩序を崩壊に導くものだ」 とする懸念が広がった。世界銀行のウォルフェルソン総裁や、IMFのカムドシュ専務理事はそれぞれ記者会見で不快感を露骨に示した。ルービン米財務長官も、「アジア諸国のためのアジア基金は、米国の利益を損なう」と反発し、「このような巨大な資金プールの存在は『思いがけないハプニング』を呼び起こす」と警告に近い論評を行った。 しかし、アメリカ政府は日本・大蔵省で"ミスター円"と言われた榊原英資財務官を呼びつけ、「IMFの融資を阻害する」と脅し、AMF構想を潰してしまった。IMFの主導権に挑戦するものとして警戒されてしまったのである。… … …(記事全文2,857文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)