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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

通信はいまや「ライフライン」のひとつである。音声通話は、メールが打てない高齢者にとっては「命綱」だ。KDDIは過去、その「命綱」ともいえるライフラインを経営判断で躊躇なく廃止している。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2022年7月4日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通信はいまや「ライフライン」のひとつである。音声通話は、メールが打てない高齢者にとっては「命綱」だ。KDDIは過去、その「命綱」ともいえるライフラインのひとつを経営判断で躊躇なく廃止している。 ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕  KDDIによる大規模な通信障害は、これから実現を目指すという「IoT社会」の危機管理がいかに脆弱なものであるかを突きつけるものとなった。KDDI・高橋誠社長は、2日に発生した通信障害について3日午前会見を開き次のように陳謝した。 「社会インフラを支える、また安定したサービスを提供する、そのような立場にある通信事業者として深く反省いたしております。お客様には多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。」  通信はいまや「ライフライン」のひとつである。そして音声通話は、メールが打てない高齢者にとっては「命綱」なのだ。今回の大事故の教訓から、今後の対策として「(アナログ)固定電話」を解約せず持ち続けることなどが言われている。しかし、この点についていうならば、KDDIは2016年に「メタルプラス」というKDDI独自のアナログ固定電話サービスを中止している。KDDIはメタルプラス電話のサービスを2005年2月1日からサービスを開始し、2016年6月30日に廃止した。11年4カ月続いた「ライフライン」としての固定電話サービスをKDDIは、自社の経営判断で躊躇なく中止したのだった。厳しいことを言えば、このときからKDDIは、「社会インフラを支える、また安定したサービスを提供する、そのような立場にある通信事業者」としての自覚は希薄だったと言わざるを得ない。 「メタルプラス」廃止のとき、auショップの店員は「NTTの固定電話も近い将来なくなることが決まっています」という説明をしていたのを覚えている。その説明がどこまで真実味があったのか、果たしていい加減な説明だったのかは、いまとなってははっきりしない。ただいずれにせよ、このとき「メタルプラス」固定電話を使っていたユーザーは、KDDIの経営都合により、ライフラインとしての固定電話回線を強制的に失わざるを得なかったのは事実だ。KDDIは「メタルプラス」ユーザーに対しては、同社「ホームプラス電話」への切り替えを勧めていた。しかし「ホームプラス電話(auおうち電話)」は、結局はau携帯(VoLTE)回線を用いた固定電話サービスのため、固定電話の形はしていても携帯電話と同じであり、今回の通信障害被害に遭っていただろう。  やはり危機管理という観点からは、完全デジタル社会は危険極まりない。そもそも災害時に停電が起きたときのことを考えると、デジタルへの依存度が高いほど危険であり、乗り切れないことが露わになった。災害時は、アナログ固定電話か公衆電話が最後の命綱となるだろう。コロナ禍により電子マネー決済の普及が進んでしまったが、災害時に停電になってしまっては、電子マネーは使えないし、復旧にも時間がかかる。やはりアナログ通貨も残しておく必要がある。 ◆〔特別情報2〕  今回の通信障害では特に、音声通話の復旧に時間がかかったとみられる。メールやSNSでのやりとりが主流になりつつあるとはいえ、高齢者の多く、特に介護の現場では音声通話が中心だ。かねがね思っていたことだが、KDDIはもちろんのこと、その他の携帯電話会社にしても、サービス内容は、子供向けには力を入れていても、高齢者にはサービス内容が悪くまるで充実していない。その意欲のかけらも見受けられないという印象を受けてきた。因果応報というべきか、その結果が、大規模な通信障害が発生し、その対応の悪さからも事故を拡大させてしまったものだろうと言わざるを得ない。
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