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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

『ロックフェラーに翻弄される日本』(2007年11月20日刊) 第1章 ブッシュ政権の対中国戦略を担うゴールドマン・サックス社 「BRlCs」が一世を風塵する

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2022年4月20日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『ロックフェラーに翻弄される日本』(2007年11月20日刊) 第1章 ブッシュ政権の対中国戦略を担うゴールドマン・サックス社 「BRlCs」が一世を風塵する───────────────────────────────────  ところで、ポールソンがCEO在任中の2003年10月、インド人女性社員であるルーパ・プルショサーマン(退社)が、ゴールドマン・サックス社の投資家向けのレポートに掲載された「BRICsとともに見る2005年への道」(Dreaming with BRICs The Path to 2050)と題する解説記事のなかで初めて「BRICs」という戦略用語を使い、一世を風摩することになる。ルーパ・プルショサーマンは、解説記事のなかで以下のように指摘していた。 「BRICsは、人口の増加、資本の増加、労働生産性の増加などを起因として経済成長を成し遂げ、2004年にはいずれも5~9パーセント台の成長を果たすなど、近年では世界平均を上回る高水準の成長を記録している。  今後はさらに資本蓄積・技術革新による生産性上昇なども見込まれており、国際通貨基金(IMF)の予測によると、2005~2006年にかけても、中国の8パーセント台を筆頭に、軒並み高い成長を維持すると見込まれる。現時点で世界のGDPの約8パーセントを占めるに過ぎないその経済規模は、2039年に経済大国G7(アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)の合計を上回り、2050年時点でのGDPは中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順になると予想される。これにより、アメリカによる一極支配が崩れる可能性がある」  「BRICs」という言葉は、瞬く間に全世界に流布し、金融・証券業界にとどまらず、経済・産業界にも浸透、ビジネス用語として定着した。さらに政界でも経済政策の中で広く用いられるようになり、いまやブッシュ政権の世界経済政策を担う重要な戦略用語へとグレードアップしている。ブッシュ大統領が、この戦略用語に影響を受け、「BRICs」の中でも特に中国の経済成長に注目し、中国と良好な経済関係を築くことで米国経済と景気を維持改善しようと決意するまで、実に二年半かかった。それでも、「BRICs」が、ブッシュ政権の経済財政政策を「中国重視」に向かわせる大きな役割を果たし、ポールソンの運命まで変えることになったのは、実に意義深い。  ポールソンは2006年6月19日、ブッシュ大統領から第74代財務長官に指名され、6月28日には連邦議会上院より全会一致で承認された。ゴールドマン・サックス社会長兼CEOの年収は、4000万ドル(約44億8000万円)弱で、米国の経営者としては間違いなくトップクラス。個人資産も約五億ドルとされていた。これに比べ、財務長官の年収18万ドル(2000万円)は、いかにも薄給である。  ポールソンは財務長官就任を前に、ゴールドマン・サックス社の会長兼CEOを辞任、会計年度上半期分のボーナスとして、1870万ドルの支給を受けた。同時に、自身の保有するゴールドマン・サックス社の株式323万株を売却した。ちなみに、時価総額は約4億8600万ドルだった。
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