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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

中国が一人っ子政策を止めたのは、人口が減少に転じてきたからではない。戦争が始まれば、若者が死ぬからだ。一人っ子政策を止めた段階から中国共産党は、台湾有事を本気で考えているということだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~   2021年7月29日 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。                          政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - -                    - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中国が一人っ子政策を止めたのは、人口が減少に転じてきたからではない。戦争が始まれば、若者が死ぬからだ。一人っ子政策を止めた段階から中国共産党は、台湾有事を本気で考えているということだ。 ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕 いま、中国に押し迫る3つのシナリオによって、世界の未来が決まる。「グレート・リセット」は中国から始まるといってもいい。ひとつめのシナリオは中国が準備を進めている台湾侵攻、もうひとつのシナリオは習近平国家主席の失脚、そして3つめのシナリオは三峡ダム決壊による中国経済の大崩壊だ。3つのシナリオ全てが、ほぼ同時に現実のものになる可能性もある。 中国共産党にしてみると、革命はまだ終わっていない。共産主義の最終目標は、高度に発達した資本主義社会のなかで生まれる社会だ。そのプロセスについて、中国共産党が生まれたのがいまから100年前の1921年、そのころの中国は、いまの台湾政府の原点になっている国民政府が統治していた。まずは「革命の父」孫文からはじまり、中国を近代化しようとしていた。孫文は日本の明治維新をモデルにして、中国も日本の国のようになろうと目指した。そのため孫文は、日本に何度も来て、中国を近代化した国家にしようと目指していた。ところが、そんな矢先の1921年、中国に共産党ができてしまう。それから100年を経たこの7月1日、中国共産党100周年の式典が行われた。しかし、中国共産革命は成功しているかというと、成功していない。  毛沢東率いる中国共産党が、どこと戦い始めたかというと、大日本帝国であり、続いて国内政治闘争である文化大革命を起こす。中国は複雑で、資本主義になろうとする革命と、共産革命とが、時間をずらしてほぼ同時進行した。そのときに米国は、どちらかという国民党を支持していたけれども、太平洋戦争で日本を倒す目的のために、途中から共産党の革命が成功するような方向に力を貸してきた。そこで、当時の中国国民党と共産党は「国共一致」という共同路線をとっていたが、対日本の主戦力はあくまで国民党軍であり、その国民党は日本との戦いに敗れて、そのまま第二次世界大戦が終わり、中国は、国共内戦に突入していく。1948年に国民党の蒋介石が中華民国として初代総統に就任するが、反発を受け翌年辞任。翌1949年に、国共内戦で蒋介石の国民党は敗北し、首都南京を脱出し台湾へ逃げ、台北へ遷都を強いられる。つまり、蒋介石が中国で革命を起こして新政権をつくろうとしたところを、途中で毛沢東に横取りされてしまい、蒋介石は命からがら、台湾に逃げて来たということだ。そしていまも習近平共産党政権の中国は、台湾を香港と同じように、中国の国土だとしたい。  中国3千年は王朝交代の歴史であり、政変に敗れた者たちが命からがら中国大陸から逃げていく先が、台湾であった。江戸時代には、中国で明王朝が倒れ、満州族による清王朝が出来るのだが、「反清復明」を唱えて清朝に抵抗していた明王朝の鄭成功の軍勢は、清への反攻の拠点を確保するために台湾へ逃げている。このとき鄭成功の軍勢は、江戸幕府に助けを求めてきているのだが、日本は鎖国状態だったため、結局は、見殺しにしてしまう。ちなみに鄭成功の軍勢は、台湾を制圧していたオランダ・東インド会社を攻撃し、1662年に東インド会社を台湾から撤退させている。  やがて明治維新で開国した明治政府は台湾を日本の領地にしてしまう。国は中国のものだけれども、統治しているのは日本だった。その中国と日本が戦争状態になっていた。そして戦後、台湾は日本の領土でなくなった。そこで中国共産党としては、台湾を共産化するところまでもっていきたかった。それが台湾解放ということだ。そこまでいって共産革命が完成する。ところが、そこが中途半端になってしまった。しかも、第二次世界大戦中、米国は日本を倒すために、中国共産党政権を後押しした。中国からすれば、戦後の台湾解放も助けてくれるはずが、ところが、そこは米国としては出来なかった。それにより、つまり、中国にとって戦後70年の悲願は、台湾を自国の領土として取り戻すことにあった。それを実現しかかったのは、1971年のニクソン政権で「密使」としてキッシンジャー博士が、当時中ソ対立でソ連と緊張状態にあった中華人民共和国を極秘に二度訪問したときだ。周恩来中国首相と直接会談を行い、米中和解への道筋をつける一方で、中華人民共和国との和解を交渉カードとして、ベトナム戦争終結に向けた北ベトナムとの秘密停戦交渉を成功させたときだ。このときキッシンジャー博士は、本来、自分たちの仲間である台湾を認めず、本来、戦わなければならない共産党の中国を認めてしまい、五大国は中華民国から中華人民共和国に代表権が移され、中華民国は国連とその関連機関から脱退した。表向き、米中和解の手続きをとったことになっているけれども、中国にしてみればこのときの交渉こそ、台湾解放が認められたとみなされたと思うところだった。  日本を負かした米国の立場に立ってみるならば、中国も資本主義の国にしなければならなかったところを、日本を倒すために中国共産党を後押ししてしまうことで、皮肉にも自分たちが嫌っている共産主義の国にしてしまった。
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