━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2021年7月16日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山口県の人にとっては、総理になる願いを二度も叶えた安倍晋三は、既に終わった人。安倍の再々登板を願うより、総理候補ながら選挙区を奪われた故林義朗の息子・林芳正の総理就任を願っている。 ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕 これは、自民党二階派「志帥会」の重鎮からの政界トップ情報である。 自民党岸田派の林芳正元文部科学相(60歳・参院山口選挙区)が7月15日午前、山口県宇部市で記者会見し、次期衆院選に山口3区から立候補すると表明した。山口3区は自民党二階派の河村建夫(78歳)が11選を目指す選挙区で、保守激突は避けられない様相だ。二階俊博幹事長は、林がくら替え出馬した場合は処分を辞さないとの考えを示していた。林を除名するといった声も聞こえてくるが、それをしてはいけない。 前回の選挙のとき、岡山3区でも保守激突の選挙区があった。岡山3区は、現職の阿部俊子の公認が決まっていたのだが、平沼赳夫が政界を引退する決意を固め、後継候補として次男の平沼正二郎を擁立することとなり、阿部俊子は公認を見送られ、阿部と平沼正二郎はいずれも無所属の出馬とさせた。結果は、阿部俊子が平沼正二郎を約3,500票差で破り、5選を果たし、自民党の追加公認を得たのだった。林の出馬表明を受けて河村は「小選挙区で勝っている現職は優先的に公認するという法則で、これまでも公認を受けてきた。今回もそういう方向だと受け止めている」と訴えたようだが、過去の前例では、必ずしも現職優先とは限らない。ただし、二階が幹事長である以上、二階派の河村建夫を公認から外すということは絶対にない。林芳正は、自ら無所属での出馬を覚悟していることを語ったように、二階は河村を公認候補として林は無所属での出馬となるだろう。となるとその場合、二階と敵対している3A(安倍・麻生・甘利)は、自民党公認二階派の岸田派の林芳正のどちらを応援することになるのか。 山口県では市長選などを巡って、安倍晋三と林芳正は何度も戦ってきている。根底には、中選挙区時代に父親同士、安倍晋太郎と林義郎が同じ選挙区(旧山口1区)で戦ってきた仲であり、小選挙区に移行するときの選挙区を巡る摩擦がいまも尾を引いてきている。 林芳正の実父・林義郎は宮沢内閣で大蔵相を務め、地元から総理を期待されていたが、小選挙区導入により、安倍晋三との選挙区調整で比例にまわり、総理にはなれず2003年に引退した。それだけに息子である林芳正への地元の期待は大きい。実力も風格もある。考え方もしっかりしている。林芳正が出ることになると、安倍は後継者も目されている甥に地盤を譲ることも難しくなるだろう。 そのため、安倍は林芳正の鞍替え表明について、まだ何も発言していない。ちなみに、父の林義朗は、もともとは佐藤派で、田中派に加わり、竹下派に分裂した後は、二階堂派として留まり、その後宮沢派に加わっている。小沢一郎先生とは同期の間柄だ。… … …(記事全文3,645文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)