□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年3月12日第203号 ■ ============================================================= 新たなPKO派遣先探しを始めた政府・自衛隊の就活 ============================================================= きょう3月12日の日経新聞が見逃せない記事を書いていた。 南スーダンPKOから撤収することを決めたばかりの安倍政権と自衛隊が、代りとなるあらたなPKO派遣先を検討し始めたというのだ。 この日経の記事が教えてくれている事は、世界では紛争地域が増え、国連平和維持軍の必要性が増えているのに、日本の自衛隊PKO派遣先がどんどんと狭くなっているというパラドックスだ。 派遣先としてやっと見つけた有力候補が国連キプロス平和維持隊と国連レバノン・イスラエル停戦監視軍であるという。 その二つの共通点は、いずれも治安がいいという点だ。 この記事が教えてくれている事、それはPKO派遣が、決してその本来の国連維持活動に直結してるものではなく、日本の都合で選ばれる自衛隊の海外派遣先探し、つまり自衛隊の海外就活となってしまっているということだ。 これこそが、国際貢献という名の自衛隊PKOの実態なのである。 私はその事自体が悪いとは思わない。 それならそうとはっきりと国民に説明して、国民の理解を得た上で自衛隊の就活をしていますと言えばいいのだ。 それを言わずに、自衛隊の海外派遣をあたかも日本の安全保障政策の強化だと詐称し、軍隊としての自衛隊強化や自衛隊の装備強化を図ろうとするところが間違っているのだ。 私は憲法9条で認められる専守防衛の自衛隊は、いかなる意味でも海外に派遣すべきではないと考えるが、それでも憲法9条の精神に沿った自衛隊の海外派遣なら認めてもいいと思う。 国会は、自衛隊のPKO派遣の是非を、すべての情報を公開した上で徹底的に議論すべきだ。 ごまかしや政局がらみの議論では自衛隊のPKO派遣問題は、いつまでたっても建設的なコンセンサスは生まれない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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