□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月3日第195号 ■ ============================================================== 黒田日銀総裁のマイナス金利を批判した武藤敏郎元財務次官 ============================================================== きょう3月3日の朝日新聞が、武藤敏郎元財務次官がマイナス金利政策を批判をした、という記事を掲載した。 すなわち、武藤敏郎元日銀副総裁(大和総研理事長)が2日、都内で講演し、日銀が導入したマイナス金利政策について次のように批判したというのだ。 「どこまでも(金利を)下げ続けることはできない。長期の継続性がどの程度あるかは疑問だ」 「株価にはほとんど影響していない」 「物価は(デンマークくらいしか)上がっていない」 「需要を喚起する効果はあまりみられない」 きわめて厳しい見方だ。 武藤氏は現在、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の事務総長を務めており、安倍政権と近い関係にある。 ついに身内からも批判が出た。 そこまでアベノミクスの失敗は明らかになったということだ。 そう、普段の私なら書くところだ。 しかし、この武藤氏の発言を聞いて私が真っ先に感じたのはそれではない。 武藤氏は財務官僚として黒田日銀総裁の先輩だ。 財務官僚どまりの黒田氏に比べ財務事務次官までのぼりつめた出世頭だ。 本来なら日銀総裁になって当然のキャリアであるが、政権交代のあおりを食って棒に振った。 その一方で、次官でさえも難しい天下り先である日銀総裁ボポストに、財務官どまりの後輩の黒田氏が、安倍政権の恣意的な人事で日銀総裁に大抜擢され、保身のために財務省に逆らってまでアベノミクスに追従する。 その不快感の表れがここまで厳しい批判につながったのではないか。 元官僚として大蔵省(現財務省)の予定調和の人事を見てきた私の頭に真っ先に浮かんだのは、そのことである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)