□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月3日第194号 ■ ============================================================== 国民に真実を伝えない大手新聞の巧妙な手口はこれだ ============================================================== 生活保護家庭が過去最多を更新 新たな慰安婦像、政府に対応求める 日中経済対話先送り これらは、いずれもきょう3月3日の大手新聞の記事の見出しである。 上から順番に毎日、産経、読売の記事である。 その要約は次の通りだ。 厚生労働省がきのう(3月2日)発表した調査結果では、全国で生活保護を受けている家庭は、昨年12月時点で、163万4185世帯となり、過去最多を更新した。働いて収入が得られない一人暮らしの高齢者の増加が影響したとみられる。 自民党はきのう(3月2日)党本部で会合を開き、海外に設置された慰安婦像への対応を議論した。米国で新たな像を設置する動きがあるとして、日本大使館の対応強化を求める意見が上がった。 先月28日に行われた日中次官級協議で、中国側代表が「(日中閣僚級によるハイレベル経済対話について)当面の日程調整は難しい」と日本側に伝えていたことがわかった。日本政府関係者が2日明らかにした。 いずれも内政・外交に関する重要な記事だ。 もし、これが一面トップで掲載されていたらどうか。 そこまでいかなくても、それぞれ、経済面、外交面で解説入りで大きく取り上げられていたらどうか。 その価値は十分にある内容だ。 ところが、いずれも見落としそうな一段のべた記事である。 大手新聞は安倍政権に都合の悪いことは書かない、国民に本当の事を伝えない、という批判は、もはや定着している。 だから書かないわけにはいかない。 しかし、意図的に小さく書いてやり過ごす。 書くことは書いた。それを見過ごすのは読者の不注意、読解力のなさだ。 そういわんばかりである。 書かないよりも、もっと悪質な情報操作だ。 ちなみに日中閣僚級経済対話の先送りについて書いた読売の記事はこう解説している。 伊勢志摩サミットや参院選など今後の政治日程を踏まえ、開催は秋以降にずれ込むとの見方が出ている、と。 これは真っ赤な嘘だ。 日本側は開催を強く求めた。 それが次官級協議の主要な議題の一つであったはずだ。 それにもかかわらず、中国が延期すると応じたのだ。 日中外相会談ができない中で、安倍政権としては、せめて経済関係に関する閣僚級対話は開きたいはずだ。 中国がそれに応じたなら、日程などいくらでも調整する用意はあったに違いない。 しかし、日程の調整以前の問題として、中国は延期を伝えたのだ。 安倍首相の執拗なまでの対中包囲網政策に対する習近平主席の断固とした意思表示がそこにある。 外務次官級協議ではどうにもならないのだ。 それを読売新聞が知らないはずはない。 情報操作を通り越して、嘘まで書く。 大手新聞はここまで劣化したかという動かぬ証拠である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)