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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

犬も食わない米中の軍事覇権争いと今こそ憲法9条日本の出番だ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月18日145号 ■   ==============================================================   犬も食わない米中の軍事覇権争いと今こそ憲法9条日本の出番だ  ==============================================================  いま我々が目にしてる米国と中国の北朝鮮と南シナ海をめぐる軍事覇権争いほど愚かなものはない。  憲法9条を世界に誇る日本こそ、この争いの外に立ち、世界に平和の大切さを訴えるべき絶好のチャンスだ。  軍事的覇権の犠牲に苦しんできた世界の大多数の国々は、間違いなくそんな日本に喝采を送るだろう。  いま我々が目にしているのは米国と中国という新旧の二大軍事国家の軍事覇権争いであると冒頭に書いた。  しかしそれは同時に壮大な外交力の戦いでもある。  もはや軍事大国と言えども軍事力行使はあり得ない。  ウクライナにせよシリアにせよイランにせよ、米国が軍事力を行使して解決できるならとっくにやっていたはずだ。  それが出来なくなったのだ。  それはオバマが弱かったからではない。  誰が米国大統領であっても、もはや米国は軍事力では問題を解決できなくなった。  そして軍事力を使えなくなった米国ほど弱い大国はない。  軍事力による解決を優先してきた米国に外交力は育たなかったからだ。  軍事力を行使できないのは中国も同じだ。  しかし中国は外交力において米国を優っている。  南シナ海における中国の軍事拡張主義を牽制する米国は、その一方で、いまや米国の傀儡のようになってしまった朴槿恵大統領の韓国に、高高度ミサイル迎撃システムやステルス戦闘機を配備し、中国を軍事的にけん制しようとしている。  南沙諸島の人工島にミサイルを配備した中国よりも、もっと直接的で露骨な軍事的威嚇だ。  中国を批判できるのか。  そう中国に反論されたら米国はぐうの音も出ないだろう。  しかも中国の外交的反撃は、それよりもはるかに鋭い形で現実に行われている。  王毅外相は17日、北朝鮮の核・ミサイル問題を解決する最善の方策は朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換することだと言ったらしい(2月18日各紙)。  これこそ米国に対する究極の外交的カウンターパンチだ。  まさしくそれこそが極東の平和を実現する最善の解決策なのだ。  それを目指そうとしない米国は、アジアの分断・対立を望んでいるのか、ということになる。  おりからオバマは米国にアセアン首脳を集めて中国包囲網を築こうとしたが、アセアン首脳の総意を得るに至らなかった。  米国は外交力で中国に勝てない。  その米国に従属した日本は、とっくの昔に外交を放棄している。  ただ米国についていくだけだ。  安倍首相も中谷防衛相も、訪日したハリス米太平洋司令官と立て続けに会談し、中国の軍事力による一方的現状変更は認められないと繰り返すしかない。  今からでも遅くない。  日本は憲法9条こそ最強の外交・安全保障政策だということに気づき、米国から自立し、米国も中国も軍事覇権は間違いだ、と正しく批判できる外交を取り戻すべきである。  それを唱える政治家が、与野党を通じてただの一人も出て来ないところにこの国の救い難さがある。  新党憲法9条は何としてでも実現しなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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