□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月25日第873号 ■ ============================================================ 東京新聞の護憲度を疑う ============================================================= 大手新聞がこぞって安倍政権の広報紙となってしまった感がある中で、ひとり東京新聞が頑張っていると皆が思う。 特に平和、護憲の姿勢がそうだ。 しかし果たして本当にそうなのか。 私がそう疑う記事が最近の東京新聞に立て続けに見られる。 ひとつは一週間ほど前の「こちら特報部」にとりあげられた新憲法9条論だ。 これは憲法9条の条文をより明確に護憲の方向に書き変えようという、あらたな動きの事である。 しかし、私はこの考えは危ないと思う。 世論はそこまで、まだ護憲に成熟していない。 ましてや、安倍政権の下では憲法9条を変えるべきだという世論が勢いを持つ。 そのような時に、どうして憲法9条をより明確、厳格な方向で改憲できるというのか。 下手をすれば憲法9条の精神を否定する方向の改憲が起きかねない。 いまは一字一句憲法9条を変えてはいけないのである。 もっと、もっと、多くの日本国民が、あの憲法9条が出来た当時の歴史的事実を知り、自らの手で戦争責任を総括出来るようにならないうちは、憲法9条を変えてはいけない。 そうすることによって過去が葬り去られてしまうからだ。 もうひとつは、きょう10月25日の東京新聞の「甦れサンダーバード」という社説である。 NHKが再放送をはじめたサンダーバードという人形劇を不朽の名作と歓迎し、平和維持活動の名の下に自衛隊を海外に出すのではなく、国際救援隊をつくれという。 この考えを私はとらない。 重要な事は、憲法9条の下で果たすべき国際貢献を模索する事ではない。 戦争そのものを地球上からなくすことだ。 そのためには武力で紛争を解決しないという憲法9条の精神を世界に広める事である。 その事を本気で実施しようとするとき、いかなる国際貢献もする必要はないし、そうする余裕はないはずだ。 国際貢献という言葉に逃げ込んで、自衛隊の海外派遣の片棒を担ぐような愚をおかしてはいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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