□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月26日第874号 ■ ============================================================ 日中関係が改善しているという大嘘 ============================================================= きょうの各紙が小さく報じている。 日中の有識者が集まって日中関係の改善策を話し合ってきた、いわゆる「日中フォーラム」が、共同声明の発表を見送って閉会したと。 これは極めて重要なニュースだ。 日中関係は何も改善していない現状を教えてくれる象徴的な出来事だ。 このフォーラムが日本側の肝いりで行われた事はあきらかだ。 そのメンバーを見ても、宮本雄二元中国大使とか、明石康元国連事務次長であるとか、つねに政府の片棒を担ぐ「有識者」らだ。 何といっても日本側の最高顧問は福田康夫元首相だ。 安倍首相を批判する振りをしながら、安倍政権のために日中関係を一手に引き受けて来た同じ派閥の同僚議員だ。 今度の日中フォーラムも、11月の日中首脳会談を控えて、なんとか日中関係の改善に道筋をつけたいと考えて臨んだにちがいない。 それができれば脚光を浴びることになる。 そう目論んで努力したに違いない。 ところが二日間も話し合って、なんの共同声明も出せなかったのだ。 それほど意見が合わなかったということだ。 それほど日中関係は困難な状況にあるということだ。 そしてその理由は簡単だ。 中央アジアを外遊中の安倍首相は何をやっているか。 きょう10月26日の各紙が報じている。 ウズベキスタンの大統領と会談し、中国の海洋行動を公然と批判している。 率先して、ことごとく中国を牽制しているのが、安倍首相なのである。 こんな首相が日本の首相であるかぎり日中関係が改善するはずがない。 日本の有識者がもしも本気で日中関係を改善したければ、安倍首相の間違った歴史認識とその対中外交をあらためさせるべきだ。 それが出来なければ首相を辞めろと安倍首相に迫るべきだ。 そのいずれもする気がないなら、日中関係の改善は無理だと公言すべきだ。 そのどれひとつも行わず、共同声明ひとつだせないような不毛な日中フォーラムをこれからも続けるようなら、その「有識者」たちは、安倍首相に貸しをつくって見返りを求めようとしている、あさましい連中だということだ。 日中関係の改善などはじめから念頭にない連中である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加