□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月25日第872号 ■ ============================================================ 安倍外交は成果をあげていると書いた田中明彦東大教授 ============================================================= きょう10月25日の読売新聞が、「地球を読む」というコラムで、田中明彦東大教授の「日本外交 混迷の15年間」という見出しの論評を掲載した。 ついに御用学者も安倍外交の行き詰まりを言い出したのか、と思って読み進めた。 そして仰天した。 その逆だ。 行き詰まりどころか、安倍外交を絶賛しているのだ。 すなわち、小泉政権から始まる過去15年ほどの間の日本外交は、日米関係をいかに安定・強化させるか、歴史認識問題を含む中国・韓国との関係をどのように安定させるか、アジアの地域協力をどう進めるか、の三つの課題で、ストップ・アンド・ゴー(進んだり、後戻りしたり)を繰り返してきたが、ついに第二次安倍政権が三年目を迎える今秋に、日中韓協力が本格的に実現できる好機を迎えた、と書いている。 これはすなわち、臨時国会を開かない理由として挙げられている一連のアジア首脳外交が、いかに重要であるかを国民に訴える目的で書かれた御用記事だ。 そのアジア首脳外交が奏功する見通しであるならまだわかる。 しかし、いまの安倍首相のやっていることは、過去のどの首相よりも中国、韓国に敵対的だ。 そしてその最大の理由は、過去のどの首相よりも誤った歴史認識に拘泥しているからだ。 その事を国際政治学者の田中明彦氏が知らないはずがない。 知っていながらここまで持ち上げる記事を書く田中明彦氏は、ついこの前まで国際協力機構(JICA)理事長に天下って、日本の援助を安保協力に使い方向へ舵を切った人物だ。 ちなみに、田中明彦氏の後を継いでこの10月から国際協力機構の理事長に天下ったのが北岡伸一東大教授だ。 そしてこの田中・北岡という二人の東大教授は、2003年にそろって米国のイラク攻撃を支持する論陣を張った。 それを外務官僚OBの岡崎久彦氏は、東大の二人の先生がそう言うのだから国民はありがたくそれに従え、と言ったことがあった。 いまでは、あのイラク攻撃は間違いだったと、すべての国がそう評価している。 それにもかかわらず田中、北岡両教授はイラク攻撃に関する自らの発言をほうかむりしたままだ。 そのような御用学者が何を言っても信用できるはずがない。 読売新聞が掲げるこの論評もまた、国民をたぶらかす安倍首相の為の御用論評そのものである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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