□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月24日第869号 ■ ============================================================ 習近平と安倍の外交力の違いを見せつけられた旅 ============================================================= これは好き嫌いの話ではない。 良い悪いの話でもない。 客観的事実だ。 政敵を倒し、権力を集中した習近平主席と安倍首相は、いまや、やろうとすることは何でも出来るという点では似ている。 しかしやろうとしている事の違いは大きい。 その違いは何か。 国威発揚という公の仕事に専念する姿と、東京五輪まで首相を続けたいという私的欲望にとらわれた姿の違いだ。 その違いが、いま行われている二人の外交に見事にあらわれている。 国会の審議よりも優先させて外遊した安倍首相がしている事は何か。 報道されることはといえば、弱小国を走り回って援助をばら撒くトップセールスばかりだ。 そんなことは、せいぜい経済閣僚がやればいいことだ。 そして、決まって日本のメディアが報じるのは、安倍外遊の裏にある中国けん制だ。 その一方で、習近平主席は訪英し、米英の分断作戦に成功しつつある。 欧州主要国との首脳外交も抜かりがない。 ドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領も近く訪中することになっている。 ロシアのプーチン大統領や韓国の朴クネ大統領との関係は言うまでもない。 おまけに北朝鮮の金正恩もすり寄って来た。 その中国は、米国の軍事的恫喝にも微動だにせず、南シナ海の人口島づくりに邁進している。 けん制どころか、米国に従属するしか能のない安倍首相は相手にされていないに違いない。 それなのに、安倍首相は習近平主席と首脳会談をしたがっている。 いまや習近平主席との首脳会談を行う事が安倍首相の最大の外交成果となっている。 その習近平主席はどう応じているか。 日中関係は重要だからいくらでも会うが、その前に間違った歴史認識をあらためなければ首脳会談の意味はない、と繰り返している。 どう考えても安倍首相は習近平主席には勝てない。 これは好き嫌いの話ではない。 良い悪意の話ではない。 客観的事実だ。 日本は首相を変えて外交の立て直しを図る必要がある。 そのことを見せつけられた二人の旅ということだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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