□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月25日第870号 ■ ============================================================ TPPが漂流するのはこれからである ============================================================= 「漂流」すると思われたTPPがギリギリで大筋合意した。 TPPに賛成する者たちは、きまってこう歓迎する。 しかし、TPP反対論者は悲観する事はない。 TPPが漂流するのはこれからであるからだ。 安倍政権がTPP臨時国会から逃げ回っている。 そう思ったら、なんと来年の通常国会でも議論しないという。 よほどTPP秘密交渉を追及されることが怖いと見える。 そう思っていたら、それだけではない。 TPP国会を急がない理由が奮っている。 米国議会での承認がどうなるかわからない中で、日本が急いで批准する必要はないからだ、というのだ。 じつはその通りなのだ。 米国の議会でTPP審議が紛糾することは必至である。 そしてTPPを推進したオバマ大統領は、来年になれば次期大統領選挙が本格化して、もはや影響力は完全になくなる。 次の大統領が誰になろうと、オバマ大統領の推進した政策のために汗をかく馬鹿はいない。 ましてや評判の悪いTPPを熱心に批准しようとする者はいない。 民主党のヒラリー候補に至っては大統領選でTPP反対を唱える始末だ。 そんな米国の迷走を見て、その他の国の議会もまた議論が噴出するだろう。 そんな中で、ひとり安倍首相が国会でTPP推進を唱えたら笑い者になる。 国際条約が合意されても、それを議会が承認しないため、いつまでたっても米国が参加しない例は、これまでにもある。 もし今度のTPPがそうなったら、言い出しっぺの米国が不参加となるのだから、TPP交渉はなんだったのか、ということになる。 究極のちゃぶ台返しだ。 はたしてTPPはどうなるのか。 TPPが漂流するのはこれからであると私が言う理由がここにある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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