□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月4日第729号 ■ ============================================================= トランプ発言を報じる古森記者の姿勢は国益に反する ============================================================== 私は8月28日のメルマガ第698号で書いた。 米国大統領選挙の共和党候補者であるトランプ氏が日米安保条約は不公正であると言う発言を連発していると。 そして安倍首相はそれを放置してはいけない、直ちに抗議せよと。 米国にそんな文句を言わせないために、安倍首相は政治生命をかけて集団的自衛権の行使容認を認めようとしているのではないか。 その事をトランプ氏に正しく理解させないようでは、何のための安保法案作成か、と書いた。 ところが、この噴飯もののトランプ発言を誰もメディアで書かない。 そう思っていたら、きのう発売の週刊文春9月10日号で、在米駐在ジャーナリストの古森義久氏が書いているのを見つけた。 しかも彼が書いていることは、いわゆる安保ただ乗り論、日本不公正論は、共和党保守右翼だけの少数意見ではなく、民主党左派、リベラルにも存在するのだと言い、その例として下院外交委員会の公聴会でブラッド・シャーマン下院議員が日本を批判した事を紹介している。 だったらなおさらだ。 そしてこれは安倍首相だけの問題ではない。 日本の政治全体の問題だ。 いや、日本国民全体の問題だ。 ここまで日本は米国に軍事協力して来たというのに、そしてその事により沖縄問題が起こり、憲法9条改憲問題が起こり、いまや安保法案で日本が分断されているというのに、それでも米国は日本を不公正だと言い続ける。 問題は日本にあるのではなく、米国側の無知であり、日本に対する無理解ではないのか。 米国に長く滞在したジャーナリストである古森氏がその事を知らないはずはない。 しかし、古森氏はその記事をこう締めくくるだけだ。 「シャーマン議員は当選十回。超リベラル派である。トランプ氏とは対極的な政治スタンスなのだが、防衛面での日本への不満は共通する。日本側として銘記すべきアメリカの現実だといえよう」 だからどうだというのだ。 こんな記事を書く暇があれば、古森記者はシャーマン議員に教えてやるべきだ。 政治家はもっと勉強してから発言せよと。 古森氏が安倍政権の安保法案に賛成ならば、なおさらである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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